Copilotは業務効率化に役立つAIですが、導入の判断に迷う企業担当者も少なくありません。
「Copilotのどの料金プランが自社に合っているのか分からない」
「費用対効果に見合うCopilotの活用ができるか不安」
そこで今回は、Microsoft Copilotの料金プランを詳しく解説します。
【記事を読んで得られること】
- Copilotにどのような料金プランがあるか
- 各プランの特徴と選び方
- よくある質問と導入時のチェックポイント
目的にあったプランの選択方法も掲載しているので、ぜひ参考にしてください。
Copilotの料金はどのようなプランがある?

Copilotの料金は無料版と有料版に分かれ、機能や対象ユーザーによって選べます。
無料プランでは、Web・モバイルアプリ上でのAIチャットや画像生成を制限付きで利用可能。
個人向けには、Microsoft 365とのセットで提供されるMicrosoft 365 Personal(月額9.99ドル)や、より機能が充実したMicrosoft 365 Premium(月額19.99ドル)があります。
法人向けには、Word・Excelなどと連携可能なMicrosoft 365 Copilot(年額アドオン)が利用でき、社内データとも連動。加えて、条件を満たす契約者にはMicrosoft 365 Copilot Chatという安全性の高いチャットツールも用意されています。
CopilotがどんなAIか詳しく知りたい場合は、以下の記事で解説しているので参考にしてみてください。
Copilotとは?Office連携やWindows統合で業務効率が激変する
Copilotの各料金プランの特徴

ここでは、Copilotの各料金プランの特徴を解説します。
- 無料プラン
- 個人向けプラン
- ビジネス向けプラン
- エンタープライズ向けプラン
- Microsoft Studioプラン
それぞれの違いを、詳しく見ていきましょう。
無料プラン
Copilot Freeは、AI機能を気軽に試したい個人ユーザーに最適です。
どこまで無料で使えるのか、詳しく確認してみましょう。
Copilot Free
Copilot Freeは、Microsoftの生成AIを無料で試せるプランです。
リアルタイム検索に基づく情報取得や、要約・アイデア出しなどの基本機能が無償で使えるため、初めてのAI導入に適しています。画像生成も制限付きで利用可能です(具体的な回数制限はサービス容量により変動します)。
Web版・Edge・モバイルアプリに対応しており、端末を問わず活用可能。ただし、WordやExcelなどMicrosoft 365との連携機能は非対応で、ピーク時は最新モデルの使用に制限がかかる場合があります。
無料版に関しては、以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

個人向けプラン
日常的にMicrosoft 365を使う方は、Copilotを深く活用できる個人向け有料プランが適しています。
- Microsoft 365 Personal
- Microsoft 365 Family
- Microsoft 365 Premium
※Copilot Pro($20/月)は2025年10月1日に新規販売が終了し、Microsoft 365 Premiumに統合されました。ただし、既存のCopilot Pro契約者は引き続き利用可能です。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
Microsoft 365 Personal
Microsoft 365 Personalは、個人向けに設計された基本プランで、月額9.99ドルです。
Word・Excel・PowerPoint・Outlookなどの主要アプリにCopilot機能が統合されており、AIによる文章作成やメール処理を効率化。無料版よりも使用上限が高く設定されているため、日常的にCopilotを使いたい人に適しています。
また、1TBのOneDriveストレージとMicrosoft Defenderによるセキュリティ保護も含まれ、料金に見合う総合的な生産性向上が期待できます。
Microsoft 365 Family
Microsoft 365 Familyは、家族で利用できる共有プランで、月額12.99ドルです。
Officeアプリや6TB(1人あたり1TB)のクラウドストレージを最大6人で使えます。ただし、Copilot機能は契約者本人のみ利用可能で、共有メンバーは対象外です。家族全員がAI機能を使いたい場合は、ユーザーごとに追加ライセンスを導入する必要があります。
共用環境でも安全に作業できる構成のため、費用を抑えてAIを試したい家庭に適した料金プランです。
Microsoft 365 Premium
Microsoft 365 Premiumは、月額19.99ドルで利用できる上位プランです。
個人事業主やフリーランスなど、AIを積極的に業務へ活用したいユーザーに最適です。
PersonalやFamilyの機能に加え、Copilotの使用上限が最も高く設定され、画像生成やデータ分析にも対応します。
また、Premium限定のCopilot機能が提供され、常に最新AIモデルを利用できる環境が整っています。共有は最大6人まで可能ですが、AI機能は契約者のみが利用可能で、この仕様は他プランと同様です。
ビジネス向けプラン
中小企業やチームでCopilotを活用するなら、ビジネス向けプランがおすすめです。
- Microsoft 365 Copilot Chat
- Microsoft 365 Copilot
- Microsoft 365 Business Basic and Microsoft 365 Copilot
それぞれ詳しく見ていきましょう。
Microsoft 365 Copilot Chat
Microsoft 365 Copilot Chatは、対象となるMicrosoft 365サブスクリプション(Business Basic/Standard/Premium、Enterprise E3/E5など)を持つMicrosoft Entraアカウントユーザーが、追加料金なしで使えるAIチャット機能です。
このチャットはWeb上で動作し、最新の大規模言語モデルを活用しながら、企業向けのデータ保護やIT制御機能に対応しています。セキュリティを確保しながらAIを試したいチームに適した選択肢ですが、WordやExcelとの連携や社内データへのアクセスは不可です。
まずは安全性を確保しながら、費用をかけずに運用を試したい企業に向いています。
Microsoft 365 Copilot
Microsoft 365 Copilotは、ユーザーあたり月額30ドル(年間契約)の有料ライセンスで提供される法人向けアドオンです。年間契約・月払いまたは年払いの支払い方法が選択可能。
このプランでは、WordやExcel、TeamsなどのMicrosoft 365アプリにAIが組み込まれ、業務中に直接AIを活用できます。Microsoft Graphの社内データを参照し、会議の要約や提案文書の作成など、業務フローを大幅に効率化できます。
Copilotの料金としては高額ですが、セキュリティと生産性の両立を実現できるプランです。
Microsoft 365 Business Basic and Microsoft 365 Copilot
本バンドルは、中小企業向けに設計されたCopilot付きのBusiness Basicプランで、ユーザーあたり月額36ドル(年払い)から提供されています。
最大300人までのID・アクセス管理や1TBストレージ、Teamsによる会議機能、独自ドメインのメールなどが含まれ、AIアシスタントと基本IT環境を一括で整備できます。
費用を抑えつつ導入ハードルを下げたい企業にとって、実用性の高い組み合わせです。
エンタープライズ向けプラン
ガバナンス・セキュリティ・社内データ活用を重視する大企業は、エンタープライズ向けプランの内容を把握しておく必要があります。
- Microsoft 365 Copilot Chat
- Microsoft 365 Copilot
それぞれ具体的に見ていきましょう。
Microsoft 365 Copilot Chat
Microsoft 365 Copilot Chatは、エンタープライズ契約を持つMicrosoft Entraユーザーが、追加料金なしで使えるAIチャット機能です。
Web検索を基に情報を提示しながら、企業データ保護やIT制御に準拠した安全な環境で利用可能。ファイルアップロードやCopilot Pagesも対応しており、費用をかけずにAI活用を社内検証する手段として有効です。
Microsoft 365 Copilot
Microsoft 365 Copilotは、月額30ドル(年払い)の有料アドオンで、エンタープライズに必須のAI統合プランです。
Microsoft Graphの社内データを基にAIが動作し、Word・Excel・Teamsなどで生産性を高める機能を提供します。料金に応じた高度なセキュリティ・プライバシー保護を備え、AIが社内データを学習に利用しない設計が特徴です。
Microsoft Studioプラン
自社に最適化したAIエージェントを構築したい企業は、Microsoft Studioプランの選択肢を押さえておくのがおすすめです。
- Microsoft Copilot Studio(Pay-as-you-go)
- Microsoft Copilot Studio($200.00)
それぞれ詳しく見ていきましょう。
Microsoft Copilot Studio(Pay-as-you-go)
従量課金制のCopilot Studioは、ライセンス契約なしでAIエージェントを試せる柔軟なプランです。
事前の支払い不要で、使用したメッセージ量(Copilot Credits)に応じて月末に料金が発生します。Copilotの料金を最小限に抑えたい場合や、使用量が読めない段階での導入に向いており、機能は定額制と同等です。
新規導入やテスト運用から始めたい企業にとって、初期投資を抑えてAI導入を進める手段となります。
Microsoft Copilot Studio($200.00)
月額200ドルの定額プランは、25,000 Copilot Creditsを含むパッケージで、予算管理しやすい構成です。
AIエージェントの応答や処理に応じてクレジットを消費し、必要に応じて追加購入も可能です。Power PlatformやAzureと連携して業務特化型のAIをローコードで構築できる点もMicrosoft Copilot Studioの強みです。
安定した利用を見込む企業には、従量課金よりもコスト管理がしやすい選択肢となります。
ユーザー別のCopilot料金プランの選び方

自社や個人の状況に合ったプランを選ぶことで、無駄なくAI導入を進められます。
- 個人利用者におすすめの料金プラン
- ビジネスパーソンやフリーランスにおすすめの料金プラン
- 企業やチーム利用におすすめの料金プラン
それぞれ詳しく見ていきましょう。
個人利用者におすすめの料金プラン
AIを手軽に使いたい個人ユーザーは、無料版またはPersonalプランの活用がおすすめです。
まずはCopilot Freeで基本のAIチャットや画像生成を試せます。
文書作成や表計算にAIを活用したい場合は、Microsoft 365 Personal(月額9.99ドル)が最適です。Premiumプラン(月額19.99ドル)なら、使用上限がさらに広がり、パワーユーザーにも対応できます。
なお、FamilyプランやPremiumは最大6人まで共有可能ですが、Copilot機能を使えるのは契約者本人のみです。
Copilotの料金と機能のバランスを見ながら、使用頻度に応じて選びましょう。
ビジネスパーソンやフリーランスにおすすめの料金プラン
業務効率を重視する方は、Premiumプランの導入で作業時間を短縮できます。
Microsoft 365 Premium(月額19.99ドル)は、WordやExcelなどにAIが統合され、資料作成や分析作業を効率化できます。使用上限が拡張され、画像生成やResearcher・Analytistなどの高度なAIエージェント機能も利用可能。さらに、Premium利用者は常に最新モデルへ優先アクセスできる環境が整っています。
※注意:2025年10月1日以前に販売されていたCopilot Pro($20/月)は、Microsoft 365 Premiumに統合され、新規販売が終了しています。
企業やチーム利用におすすめの料金プラン
社内全体でAIを導入するなら、Copilotアドオンによる業務統合が現実的です。
Microsoft 365 Copilot(月額30ドル/年払い)を導入すれば、WordやExcel、TeamsにAIが統合され、社内データ(Microsoft Graph)と連携したAI活用が可能になります。
加えて、セキュリティとコンプライアンス基準にも準拠しているため、社内データがAIに学習されることはありません。
本格導入の前に試したい場合は、Microsoft 365 Copilot Chat(追加費用なし)から始める選択も可能です。費用に見合った安全性と拡張性を備えた構成で、組織単位の導入を支援します。
Microsoft Copilotの活用事例5選

AI導入の効果をイメージしづらい方は、実際の活用シーンから検討を始めるのがおすすめです。
- Wordでの文章生成・要約
- Excelでのグラフ作成・データ分析
- Teamsでの会議要約
- Outlookでのメール下書き作成・返信提案
- PowerPointでのスライド生成
それぞれ具体例をチェックしてみましょう。
Wordでの文章生成・要約
Copilot in Wordを使えば、レポートや提案書の下書きを即座に作成できます。
プロンプトを入力するだけで文章を生成でき、社内データをもとに提案資料の初稿の自動作成も可能です。文体やトーンの調整、誤字修正にも対応しており、編集作業の負担を減らせます。
Copilot活用で得られる代表的な効果は、文章業務の時間短縮です。
Excelでのグラフ作成・データ分析
Copilot in Excelでは、自然文での指示から関数提案やグラフ作成まで自動化できます。
「売上上位5件を抽出」「この列にVLOOKUPを適用」などに応じて、集計や可視化を即時に実行します。手作業による入力ミスが減り、分析スピードが向上します。
Copilotを活かすには、データ処理の自動化が有効です。
Teamsでの会議要約
TeamsにCopilotを導入すると、自動で会議の要点整理やアクションを抽出できます。
発言内容をもとに議題・論点・認識の差をリアルタイムで要約し、決定事項やタスクをOutlookやTo Doへ自動登録します。
議事録作成の時間を削減し、プロジェクト進行を効率化できます。
Outlookでのメール下書き作成・返信提案
Copilot in Outlookは、メール対応のスピードと品質を同時に高めます。
「丁寧な謝罪文を作成」などの要望に即座に文案を生成し、受信メールの要約や返信候補も自動表示。下書きの確認機能もあるため、内容の精度を保ちながら迅速に対応できます。
PowerPointでのスライド生成
Copilot in PowerPointでは、指示や資料をもとにスライド案を自動作成できます。
「5枚構成で新商品プレゼンを作成」と伝えるだけで、構成・画像・スクリプトを含む初稿を生成。レイアウト提案やデザイン補助にも対応し、短時間で完成度の高い資料を作成できます。
Copilotの料金プランのよくある質問

契約前に不安を解消しておきたい方のために、以下のよくある質問を紹介します。
- 料金の支払い方法は?
- プラン変更・解約の手続きは?
- 無料トライアル期間はいつまで?
それぞれQ&Aを順に確認していきましょう。
料金の支払い方法は?
Copilotの有料プランは、すべてサブスクリプション形式で提供されています。
個人向けプラン(Microsoft 365 Premiumなど)は、Microsoft アカウントに登録したクレジットカードやデビットカードで月額自動決済されます。
一方、法人向けのMicrosoft 365 Copilotは年契約が基本で、年払いまたは年契約・月払いの方式が選べます。企業では管理者がライセンスを一括購入し、Microsoft 365 管理センターからユーザーに割り当てます。
また、Copilot Studioでは利用量に応じて支払う従量課金制(Pay‑as‑you‑go)も選択できます。
プラン変更・解約の手続きは?
Copilotのプラン変更や解約は、Microsoft アカウント設定ページまたはMicrosoft 365 管理センターから実行できます。
個人プランは即時操作が可能で、解約後も請求期間の終了日までは利用を継続できます。
法人プランの場合は、管理センターでサブスクリプションをキャンセルできますが、契約形態によっては解約手数料が発生することがあります。
さらに、キャンセル後は関連データが削除されるため、Microsoft 365 のデータ保持ポリシーを事前に確認しておきましょう。
無料トライアル期間はいつまで?
個人向けのMicrosoft 365 Personal、Family、Premiumには1か月間の無料トライアルが用意されています。
試用中はWordやExcelでのAI機能を料金発生前に体験でき、機能を確認してから導入判断が可能です。
※特別オファーとして、大学生向けには2025年10月31日まで申し込み可能な、1年間の無料Microsoft 365 Personalが提供されています(有効な大学メールアドレスが必要)。この特別オファーは当初米国の大学生向けでしたが、2025年10月1日から世界中の多くの国・地域に拡大されました。
法人向けのMicrosoft 365 Copilot($30/ユーザー/月)には無料トライアルがなく、対象ライセンスを持つユーザーは追加費用なしでMicrosoft 365 Copilot Chatを利用して性能を確認できます。
目的にあったCopilotの料金プランを選択してビジネスを効率化しよう!

本記事では、Microsoft Copilotの料金プランと選び方について解説してきました。
Copilotには個人・ビジネス・エンタープライズ向けなど複数のプランがあり、費用も機能も異なります。自社の業務スタイルや人員構成にあわせて選ぶことが、導入の成否を左右するポイントです。
【Copilot導入時のチェックポイント】
- 活用目的と必要な機能を明確にする
- 社員のITリテラシーや業務内容と照らし合わせて選定する
- 導入後の運用サポート体制を確認する
Copilot最適な料金プランを見極め、AIの力をビジネスに取り入れて業務効率化していきましょう。



