ChatGPTとは、OpenAIが開発した高度な人工知能チャットボットです。自然言語処理技術を駆使して、ユーザーが入力したテキストに対して人間のような自然な応答を生成します。ChatGPTは、大量のデータを基に学習されており、文法や文脈を理解し、適切な回答を提供する能力があります。
また、質問応答だけでなく、文章の生成や要約、翻訳、さらにはコードの生成やクリエイティブ業務のサポートなど、さまざまな用途に対応しています。
最近では「ChatGPT for Excel」や「Advanced Data Analysis(旧:Code Interpreter)」など、エクセルとの連携が可能なツールも登場しています。これらのツールを利用することで、ChatGPTの能力をさらに引き出し、エクセルの作業効率を大幅に向上させることができます。
ChatGPTとExcelを連携する方法
ChatGPTとExcelを連携させることで、データ分析や日常業務の効率を大幅に向上させることができます。ここでは、具体的な連携方法について解説します。主に「ChatGPT for Excel」「Advanced Data Analysis(旧:Code Interpreter)」「Copilot for Microsoft 365」の3つの方法があります。それぞれの利用方法と特徴を見ていきましょう。
ChatGPT for Excelを利用する
ChatGPT for Excelを使用することで、ChatGPTを直接Excel内で利用することが可能になります。具体的な利用方法は以下の通りです。
1. ChatGPT for Excelのインストール
まず、Microsoftのアドインストアから「ChatGPT for Excel」をインストールします。以下の手順に従ってインストールを行います。
- Excelを開き、「挿入」タブをクリックします。
- 「アドイン」セクションから「ストア」を選択し、「ChatGPT for Excel」と検索します。
- 検索結果から「ChatGPT for Excel」を選択し、「追加」ボタンをクリックします。
2. ChatGPT for Excelの設定
インストールが完了したら、ChatGPT for Excelを設定します。
- Excelのリボンに追加された「ChatGPT」タブをクリックします。
- 「設定」メニューからAPIキーを入力します。APIキーはOpenAIのアカウントページから取得できます。
3. ChatGPT for Excelの使用
設定が完了したら、実際にChatGPTを使用してみましょう。
ChatGPT for Excelでは、7つの関数を利用することが可能です。
- AI.ASK関数(AIがテキストで質問に回答してくれる)
- AI.LIST関数(リストの出力)
- AI.TRANSLATE関数(翻訳)
- AI.FORMAT関数(フォーマットの変換)
- AI.EXTRACT関数(データの抽出)
- AI.FILL関数(データから予測して補完)
- AI.TABLE関数(テーブルの作成)
そこまで数の多いAIの関数があるわけではありませんが、有効に使うことでより業務を効率的に進めることができるでしょう。
Advanced Data Analysis(旧:Code Interpreter)を利用する
Advanced Data Analysis(旧:Code Interpreter)は、OpenAIが提供する有料ツールで、データ解析やコードの自動生成を行うことができ、Excelのデータを解析する際にも非常に効果的です。
Advanced Data Analysisでは、ChatGPT-4に搭載されている機能のため、有料版を使用する必要がありますが、Excelやcsvデータといったファイルのアップロードやダウンロードが可能となります。
Excelデータをアップロードすることで、データの要約やグラフの作成、分析結果をもとにしたアドバイスなど、様々な利活用が可能です。導入方法も有料版への登録と決済を行うだけなので、そこまで難しくありません。Excelのデータをもとに、データ分析や改善を行いたい方は試してみてはいかがでしょうか。
Copilot for Microsoft 365を利用する
Copilot for Microsoft 365は、Microsoftが提供するAIアシスタントで、Excelを含むMicrosoft 365アプリケーション全体で活用できるのが大きなポイントです。
Excelだけでなく、WordやPowerPointなど、様々なツールで活用できるので、Microsoftを使用する機会が多い方は、多くのメリットを感じることができるでしょう。
Copilotを使用して、Excelでの作業を効率化することが可能です。簡単な例をご紹介しましょう。
- Copilotのチャットボックスに質問や依頼事項を入力します。例えば、「このデータからピボットテーブルを作成して」と入力します。
- Copilotが自動的に操作を実行し、ピボットテーブルを作成します。
- 必要に応じて、追加の指示を入力して作業を進めます。
Copilotは、データの整理、関数の適用、グラフの作成など、幅広いタスクをサポートします。また、Excelだけでなく、WordやPowerPointなどの他のMicrosoft 365アプリケーションでも利用可能です。日常的にMicrosoftのツールを使っている方は、積極的に活用していきましょう。
ChatGPT for Excelの活用方法
ChatGPT for Excelは、ユーザーがExcelをより効率的に利用するためのツールです。このツールを活用することで、Excelの操作やデータ分析が格段に容易になります。以下では、ChatGPT for Excelの具体的な活用方法について解説します。
前述の通り、ChatGPT for Excelでは以下の関数を活用することが可能です。
- AI.ASK関数(AIがテキストで質問に回答してくれる)
- AI.LIST関数(リストの出力)
- AI.TRANSLATE関数(翻訳)
- AI.FORMAT関数(フォーマットの変換)
- AI.EXTRACT関数(データの抽出)
- AI.FILL関数(データから予測して補完)
- AI.TABLE関数(テーブルの作成)
分からないことは、Excel上で質問できるだけでなく、必要データの抽出やフォーマットの変換なども可能です。まずは、Excel上でChatGPTに質問が可能なAI.ASK関数を使ってみると良いかもしれません。
また、質問への回答を文字列ではなく、リストとして出力してもらうことも可能です。自分が扱いやすいリスト形式のデータとして出力できるのは、Excelを利用するうえで非常に重宝する機能ではないでしょうか。
その他にも、言語自体の翻訳やデータの抽出、テーブルの作成など、自分が今まで時間をかけてきた業務を効率化することができるでしょう。ChatGPT for Excelで使用できる上記の関数を活用しながら、業務にかけてきた時間を徐々に減らしていきましょう。
ChatGPTとExcelを連携してできること
ChatGPTとExcelを連携させることで、ユーザーはより効率的にExcelを活用できます。以下に、具体的にどのようなことができるかについて説明します。
関数の使い方に対する回答をもらえる
Excelには多くの関数があり、それぞれの使い方を完全に理解している方はあまり多くないでしょう。ChatGPTとExcelを連携することで、関数の具体的な使い方や適用方法について即座に回答を得ることができます。
例えば、「SUMIFS関数の使い方を教えてください」と質問すると、ChatGPTはその関数の構文や具体的な使用例を提供します。さらに、実際のデータに対してどのように関数を適用すればよいかも説明してくれます。これにより、ユーザーは関数を効率的に学び、適用することができます。
Excelの使い方の回答をもらえる
Excelの基本操作や高度な機能についても、ChatGPTは詳細な回答を提供します。例えば、ピボットテーブルの作成方法や条件付き書式の設定方法など、具体的な操作手順を知りたい場合に役立ちます。
「Excelでピボットテーブルを作成するにはどうすればよいですか?」と質問すれば、迷うことなく操作を進められるようにサポートしてくれます。これにより、初心者から上級者まで幅広いユーザーがExcelを効果的に活用できるようになるでしょう。
表の作成
データを整理し、見やすい表を作成することは、Excelの主要な機能の一つです。ChatGPTは、特定のデータに基づいて最適な表の作成方法を提案し、作成プロセスをサポートします。
例えば、「売上データを使って月別の売上表を作成したい」と質問すると、ChatGPTは必要な列や行の設定方法、適切なフォーマットやスタイルの提案を行います。これにより、データの視覚化が容易になり、作成したデータを様々な場面で活用することができるでしょう。
表の分類
大規模なデータを扱う際には、データを分類し、特定の条件に基づいてフィルタリングすることが重要です。ChatGPTは、データの分類方法についてのアドバイスを提供し、効率的にデータを整理する手助けをします。
例えば、「顧客データを地域ごとに分類するにはどうすればよいですか?」と質問すれば、フィルタリングや並べ替えの手順を詳しく説明します。また、特定の条件に基づいたデータの抽出方法もアドバイスしてくれます。
データの分割
データの分割もExcelでよく行われる操作の一つです。大きなデータセットをより管理しやすくするために、データを複数のシートやファイルに分割する方法をChatGPTは提供します。
例えば、「大規模なデータセットを複数のシートに分割したい」と質問すると、ChatGPTはその具体的な手順を提供します。これには、データの範囲を指定する方法や、特定の条件に基づいてデータを分割する方法が含まれます。これにより、データ管理がより効率的になります。
VBAの活用
少し高度な話になりますが、Excelの自動化やカスタマイズにはVBA(Visual Basic for Applications)が欠かせません。VBAのコードを書くにはプログラミングの知識が必要です。ChatGPTは、VBAコードの生成や修正、デバッグの支援を行います。
例えば、「特定の条件を満たすセルの色を変更するVBAコードを書いてください」と依頼すると、ChatGPTはその要件に合ったコードを生成します。また、既存のVBAコードのバグを見つけて修正する際にも、具体的なアドバイスを提供します。これにより、VBAの活用が容易になり、作業の自動化が進みます。
バグ確認
Excelで作業をしていると、関数やコードにバグが発生することがあります。ChatGPTは、これらのバグの原因を特定し、解決策を提案するのに役立ちます。
例えば、「IF関数が正しく動作しない」といった質問に対して、ChatGPTは関数の構文や入力データを確認し、エラーの原因を特定します。さらに、具体的な修正方法を聞いてみるとで、すぐにデバッグ可能な提案が返ってくるでしょう。
まとめ
本記事では、ChatGPTとExcelを連携した場合の活用方法について解説を行いましたが、様々な活用方法があることが分かったのではないでしょうか。
Excelを連携させることで、関数の使い方やデータの分析、表の作成方法など、様々なシーンで活用し、業務の効率を改善することができるでしょう。一方で、ChatGPTを活用するためには、プロンプトの作成方法や安全性などの知識も必要です。
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