ChatGPTは近年、目覚ましい進化を遂げており、最新モデルに関する噂も絶えません。
特にChatGPT4.5は、現行のGPT-4やChatGPT4oをさらに進化させた次世代モデルとして注目を集めています。
しかし、これまでChatGPTに馴染みのない方は、以下のような疑問を持つかもしれません。
「ChatGPT4.5と他モデルの違いは?」
「ChatGPT4.5を使えるプランは?」
この記事では、2025年4月現在の情報に基づき、ChatGPT4.5に関する以下の点を解説します。
【記事を読んで得られること】
- ChatGPT4.5の特徴
- ChatGPT4.5でできること
- ChatGPT4.5の安全性
生成AIを活用した副業に関心のある方も、ぜひ本記事を参考にしてください。
ChatGPT4.5とは?

ChatGPT4.5は、OpenAIが開発した最新世代のLLM(大規模言語モデル)で、マルチモーダル対応・高速応答を特徴とするChatGPT4oの流れを受け継ぐモデルです。
従来モデルに比べ、以下の点で大きく性能が向上しています。
- 論理的な推論精度
- 情報の正確性
- 自然で一貫性のある会話運び
- 長文の理解・生成能力
2024年末から2025年にかけて、OpenAIはo1 Pro modeやo3シリーズなどの多様な推論モデルを展開してきました。
GPTシリーズとしては久々のアップデートとなり、幅広いユーザー層から注目を集めています。
ChatGPT4.5の特徴

ChatGPT4.5には、以下のような特徴があります。
- 教師なし学習を重視
- 会話レベルの向上
- 制御性の向上
- 高いEQ
- 情報の正確性が向上
- 推論能力の向上
- 高い正答率
全体的に4oよりも性能が向上していると言われる理由を解説します。
教師なし学習を重視
ChatGPT4.5は、教師なし学習に重点を置いています。
教師なし学習とは、人間が事前にラベル付けしたデータを与えずに、AIがデータそのものからパターンや構造を自律的に学習する手法です。
従来のGPTモデルも教師なし学習を基盤としていますが、ChatGPT4.5ではこのアプローチがさらに強化されています。
その結果、より広範で多様なデータソースから知識を吸収し、未知の状況や新しいタスクに対する汎用性や適応能力が向上しています。
会話レベルの向上
ChatGPT4.5では、人との対話における理解力と応答力が大幅に向上しています。
単に自然な言い回しを生成するだけでなく、会話全体の流れや背景を長期的に把握し、一貫性のある返答が可能となりました。
会話が長時間にわたる場合でも、過去のやり取りや文脈、設定を保持しながら話をつなげられます。
この対話能力の進化により、複数の話題が同時進行するようなディスカッションや、発想を広げるブレインストーミングなど、より高度な会話の場面でも自然に対応可能です。
教育やエンターテイメント、メンタルサポートなど、人との信頼関係が求められる領域での活用にも広がりが期待されます。
制御性の向上
ChatGPT4.5は、ユーザーが出力する内容や振る舞いをより細かく制御できるようになっています。
これはステアラビリティ(Steerability)とも呼ばれ、AIの応答を特定の要件に合わせて調整する能力の向上を指します。
例えば、特定の文体(フォーマル、カジュアル、専門的など)、感情的なトーン(肯定的、中立的、共感的など)、あるいは特定の視点や役割(専門家、初心者、特定のキャラクターなど)を指示すると、それに沿った応答を生成可能です。
また、生成される文章の長さ、詳細度、特定のキーワードの使用頻度なども指示しやすくなっています。制御性が向上したことで、これまで生成AIに苦手意識を持っていた方もストレスなく使えるでしょう。
高いEQ
ChatGPT4.5は、論理処理だけでなく、人の感情に寄り添う「EQ(感情知能)」の面でも大きな進化を遂げています。
従来は定量的な分析や条件に基づく応答に強みがありましたが、現在は利用者の感情や社会的背景を汲み取り、より思いやりのある応対が可能となりました。
例えば、不満や困りごとを抱えたユーザーに対し、共感の意を示した上で丁寧に解決策を提案したり、状況に応じて軽いユーモアや励ましを織り交ぜたりと、人間味のある対応が実現されています。
このEQの強化によって、カスタマーサポート、教育現場、メンタルケア、医療相談など、対人対応をともなう幅広い領域への応用が期待されています。
情報の正確性が向上
大規模言語モデルの課題の1つに、ハルシネーション(事実に基づかないもっともらしい情報を生成すること)があります。
ChatGPT4.5は、ハルシネーションを抑制し、正確な情報を出力する性能が向上しています。
学習データに含まれる誤情報やバイアスに影響されにくくなったことで、より信頼性の高い情報源を参照し、事実に基づいた回答を生成可能です。
具体的には、複数の情報源を比較検討して矛盾を検出する能力や自身の知識の限界を認識し、不確かな情報についてはその旨を明示する能力などです。
ChatGPT4.5は、信頼性の高いAIアシスタントとして活躍してくれるでしょう。
推論能力の向上
ChatGPT4.5は、論理的な思考や複雑な問題解決に欠かせない推論能力が向上しています。
単に情報を記憶・検索するだけではなく、与えられた情報から新たな結論を導き出したり、複数のステップを経て問題解決したりする能力の強化を意味します。
数学的な証明、科学的な仮説検証、複雑なシナリオに基づいた計画立案、あるいは文章の背後にある論理構造の解析などがより高度に行えるようになりました。
推論能力の向上は、科学技術計算、法律相談、経営戦略の立案、ソフトウェアのデバッグ、複雑なデータ分析など、高度な専門知識や論理的思考が要求される分野でのAI活用を活発にすると期待されています。
高い正答率
ChatGPT4.5は、さまざまなベンチマークテストでGPT-4やChatGPT4oを上回る高い正答率を達成しています。
LLMの知識の正確さを測定するためのSimpleQAでは、推論モデルのo1の47%を超えて62.5%という正解率でした。
高い正答率は、AIの信頼性と実用性を測る上で重要な指標です。
教育分野での学習支援、専門分野での情報提供、研究開発における仮説検証など、正確な情報や分析が求められる場面で、ChatGPT4.5は業務をサポートしてくれます。
ChatGPT 4.5と他モデルの比較

ChatGPT4.5と既存モデルにどのような違いがあるのか気になる方も多いでしょう。
- ChatGPT4.5と4oとの比較
- ChatGPTとoシリーズとの比較
よく使われている4oとoシリーズとどう違うのかを解説します。
ChatGPT4.5と4oとの比較
ChatGPT4.5と4oのベンチマーク比較は以下のとおりです。
GPT‑4.5 | GPT‑4o | |
---|---|---|
GPQA(科学) | 71.4% | 53.6% |
AIME ‘24(数学) | 36.7% | 9.3% |
MMMLU(大規模多言語多タスク言語理解ベンチマーク) | 85.1% | 81.5% |
MMMU(大規模多タスク多モーダル理解) | 74.4% | 69.1% |
SWE-Lancer Diamond (ソフトウェアエンジニアリングベンチマーク) | 32.6% | 23.3% |
SWE-Bench Verified (ソフトウェアエンジニアリング向けの高精度なベンチマーク) | 38.0% | 30.7% |
ChatGPT4oは2024年5月に発表され、oがomni(全能)を意味するように、テキスト、音声、画像の入出力を統合し、人間のような自然な応答速度を実現することに重点が置かれています。
一方、ChatGPT4.5は2025年2月に公開され、文章生成やコード生成のほかに、高度な分析にも対応しています。
ChatGPT4oが多様な入出力と速度を追求したモデルであるのに対し、ChatGPT4.5はより深く、正確にという方向で進化しているのが違いです。
ChatGPTとoシリーズとの比較
ChatGPT4.5とoシリーズ最新のo3 mini(high)のベンチマーク比較は以下のとおりです。
GPT‑4.5 | o3 mini(high) | |
---|---|---|
GPQA(科学) | 71.4% | 79.7% |
AIME ‘24(数学) | 36.7% | 87.3% |
MMMLU(大規模多言語多タスク言語理解ベンチマーク) | 85.1% | 81.1% |
MMMU(大規模多タスク多モーダル理解) | 74.4% | – |
SWE-Lancer Diamond (ソフトウェアエンジニアリングベンチマーク) | 32.6% | 10.8% |
SWE-Bench Verified (ソフトウェアエンジニアリング向けの高精度なベンチマーク) | 38.0% | 61.0% |
ChatGPT4.5とoシリーズ(o1、o3-mini)は競合関係ではなく、異なる強みを持つ存在として位置付けられています。
oシリーズは、複雑な問題を段階的に解決するリーズニング(推論)能力の強化にフォーカスしたモデルです。
回答を出す前に思考の連鎖を構築しながら、論理的に導き出すアプローチを採用しています。
特にSTEM(科学・技術・工学・数学)分野で高い評価を受けており、プログラミング、数式処理、科学的分析など、高精度な推論が求められる業務や研究支援に最適です。
一方、ChatGPT4.5は教師なし学習によって蓄積された膨大な知識と直感的な言語理解能力に優れています。
事前に明示的な思考プロセスを経ることなく、スムーズかつ自然な回答を瞬時に生成できます。
それぞれのモデルは得意領域が異なるため、目的に応じて使い分けましょう。
ChatGPT4.5を利用できるプランとAPI料金

ChatGPT4.5の導入を検討している方にとって、どのくらい料金がかかるかは気になるところです。
通常のChatGPTで利用する際のプランと、API料金を解説します。
ChatGPT4.5を利用できる料金プラン
ChatGPT4.5は、ChatGPT Pro(月額200ドル)のユーザーおよびAPI利用者向けに提供されました。
その後、ChatGPT4.5はChatGPT Plus(月額20ドル)やその他のプラン(Team、Enterpriseなど)にも段階的に展開されています。
2025年4月現在、無料プランのユーザーへの提供時期は未定です。
ChatGPT4.5のAPI料金
OpenAIのChatGPT4.5は、API経由で提供されています。その料金体系は以下のとおりです。
入力トークン | 75ドル / 100万トークン |
---|---|
キャッシュされた入力トークン | 37.5ドル / 100万トークン |
出力トークン | 150ドル / 100万トークン |
なお、バッチAPI(大量のリクエストを一括で非同期処理するためのAPI)を利用すると、料金を50%割引で利用可能です。
ただし、GPT-4.5のAPI提供は限定的で、将来的な継続提供については未定です。
ChatGPT4.5の使い方

ChatGPT4.5を使うためには、PlusまたはProプランへの加入が必要です。

有料プランに加入後、画面左上のモデルを選択するとChatGPT4.5が選択できるようになります。

モデルを切り替えた後、画面下部のウインドウからテキストを送信するとChatGPT4.5を利用可能です。
ChatGPT4.5でできること

ChatGPT4.5は、性能が向上したことで以下のようなタスクをさらに効率よく実行できるようになりました。
- AI人材とは?
- AI人材の定義
- AI人材の種類
- IT人材やDX人材との違い
ここでは、主な活用例を紹介します。
文章生成
ChatGPT4.5は、これまでのモデルよりも高度な文章生成能力を持っています。
ブログ記事、レポート、企画書、メールの文面などのビジネス文書から、小説、詩、脚本、歌詞などのクリエイティブな文章まで、さまざまなテキストコンテンツ作成が可能です。
ChatGPT4.5にかんたんな指示を与えて文章を生成してもらいました。

詳しい情報や読者を指定しなくても、上記のような論理的な文章を生成可能です。
これまで生成AIに文章を出力させる際は、条件を細かく指定する必要がありましたが、ChatGPT4.5は大まかな指示のみでも高品質な文章を生成できます。
副業でライティング案件をこなす際にも、質の高い文章を短時間で作成する助けになります。
副業でライティングやSNS運用したいと考えている方のために、以下の動画でChatGPT4.5の実践的な使い方を解説しています。
コード生成
プログラミングにおけるChatGPT4.5の活用も、大幅な進化が期待される分野です。
普段使っている言葉で実現したい機能や処理内容を指示するだけで、以下のようなプログラミング言語のコードを生成可能です。
- Python
- JavaScript
- Java
- C++
短いコード断片を生成するだけでなく、より複雑なアルゴリズムの実装、アプリケーションの基本構造の設計、あるいは既存のコードベースに対する機能追加なども支援できます。

試しに記事の文字数をカウントするためのPythonコードを教えてもらったところ、実際のコードから使い方まで解説してくれました。
ChatGPT4.5は、バグの発見と修正(デバッグ)、コードの最適化、異なるプログラミング言語間のコード翻訳などのタスクも高い精度で実行できるようになるでしょう。
リサーチと分析
情報収集と分析の領域でも、ChatGPT4.5は高い能力を発揮してくれます。
インターネット上に存在する膨大な情報やユーザーがアップロードした大量の文書データ(PDF、Wordファイルなど)の中から、特定のトピックに関する情報を網羅的に収集し、要約してくれます。
一例として、2023年の日本の人口を調べてもらいました。

総務省の統計を基に、2023年の日本の総人口と前年度との比較、日本人人口のみの数値も算出してくれました。

さらに、都道府県の人口推移と年齢構成のデータも算出してくれています。
ChatGPT4.5を使うと、リサーチやデータ分析にかかる時間を短縮し、より本質的な考察や意思決定に集中できるようになります。
データ入力や簡単なリサーチ業務を行う際にも、作業の質とスピードを高めるのに役立つでしょう。
ChatGPT4.5の安全性

ChatGPT4.5を長く使うためには、安全性を正しく理解する必要があります。
実際にChatGPT4.5を使用する際の安全性を解説します。
新たな監督手法の導入
AIモデルの安全性を守り、有害な表現や偏った回答などを防ぐためには、監視体制が欠かせません。
これまでOpenAIは、人間による出力の評価を学習に活用する「人間のフィードバックによる強化学習(RLHF)」を主軸にしてきました。
しかし、モデルがより高性能かつ複雑になるにつれ、人的評価だけでは対応しきれないという課題も浮上していました。
最新版のChatGPT4.5では、従来のRLHFに加えて、AI自身が別のAIによって評価される「RLAIF」や、出力内容を自ら見直して誤りを修正する「自己批評」の仕組みが採用されています。
また、あらかじめ設定した安全ルールに基づき回答を再検討する「原則ベースの微調整」も導入され、人間による限られた監視をAIが広範囲にサポートする仕組みが整えられています。
ハルシネーションの減少
ハルシネーションとは、AIが実際には存在しない情報や学習データにない内容を、あたかも真実であるかのように回答する現象です。
ハルシネーションはLLMの信頼性に影響を及ぼす課題として注目されています。
ChatGPT 4.5では、従来のモデルに比べて、このハルシネーションによる誤った情報の生成が約20%低減されました。
この改善には、事実確認済みのデータセットを学習の中心としたことや、外部の検索APIおよび企業内データベースを参照して回答する機能を標準搭載したことが挙げられます。
また、回答内容に対してモデル自らが信頼性の低さを検知した場合には、その不確実性を明確に伝える機能も導入されました。
さらに、生成した内容の論理的一貫性を自動的に検証し、矛盾が発見された際には即座に再生成を実施するアルゴリズムも追加されています。
これらのアップデートにより、ChatGPT 4.5は品質の高い回答と信頼性を兼ね備えた生成AIとして、さらなる進化を遂げています。
ChatGPT4.5で日々の業務をさらに効率化しよう

本記事では、次世代AIモデルとして注目されるChatGPT4.5の概要、特徴、既存モデルとの比較、できることや料金、そして安全性に関する取り組みを解説しました。
ChatGPT4.5は、GPT-4やChatGPT4oからさらに進化し、特に推論能力、情報の正確性、会話能力、制御性などの面で大幅に性能が向上しています。
現在開発中のChatGPT5.0の情報を知りたい方は、以下の記事を参照してください。

そして、ChatGPT4.5のメリットは以下の通りです。
【ChatGPT4.5を使うメリット】
- 人間らしい文章を生成できる
- コード生成とバグ修正がしやすい
- 詳細なリサーチや分析ができる
ChatGPT4.5の登場は、私たちの働き方や日常生活にさらなる変革をもたらす可能性を秘めています。
コメント