Google AI Proは業務効率化に直結する生成AIサービスですが、以下のような悩みによって導入を迷う方も少なくありません。
「Google AI Proの料金に対して、十分な業務効果が得られるのか判断できない」
「Google AI Proを導入しても、自社業務でどう活用すればいいのか具体像が見えない」
そこで今回は、Google AI Pro(旧Gemini Advanced)について、機能・料金・活用方法を整理して解説します。
【記事を読んで得られること】
- Google AI Proでできることと活用シーン
- Google AI Proの料金プランや上位版Ultraとの違い
- Google AI Pro導入前に確認したい注意点
登録方法や解約手順も解説しているので、導入を検討している方はぜひ参考にしてください。
Google AI Pro(旧Gemini Advanced)とは

Google AI Proは、2025年のリブランドで誕生した標準的な有料AIプランで、従来のGemini Advancedを拡張したサービスです。
無料版よりも高度な推論に対応した「Gemini 2.5 ProおよびGemini 3 Pro」を利用でき、複雑な資料整理や判断業務にも対応。GmailやGoogleドキュメントなど業務アプリとAIが連携し、作業の手間を減らせます。
さらにGoogle One特典として2TBのストレージが付属し、データ管理もまとめて進められます。Google AI Proは、限られた人員や時間で成果を求める企業にとって、業務効率を高める実用的な選択肢です。
Google AI Proでできること9選

ここでは、Google AI Proでできることを9つ紹介します。
- 最新モデル「Gemini 3 Pro」による高度な推論と長文脈の理解
- 動画生成AI「Veo 2」を活用したテキストからの高品質な映像化
- 「Nano Banana Pro」を用いた直感的なクリエイティブ制作
- 「Whisk」による静止画から動画への変換
- 進化した「NotebookLM」での資料分析と情報整理の効率化
- コーディングエージェント「Jules」による開発プロセスの自動化
- 「Deep Research」を活用した詳細な調査レポートの自動生成
- GmailやGoogleドキュメントと連携して日々の作業を自動化
- Google One特典の2TBストレージでデータを一元管理
それぞれ、詳しく見ていきましょう。
最新モデル「Gemini 3 Pro」による高度な推論と長文脈の理解
複雑な課題や大量の情報を扱う場面では、Google AI Proで利用できる高性能モデル「Gemini 3 Pro」が役立ちます。
プログラムの修正提案や専門性の高い資料分析にも対応し、業務や調査の下準備を効率化。最大100万トークンの長文処理に対応しているため、長文資料や大量のコードをまとめて扱えます。
Google AI Proでは利用回数の上限が緩和され、実務で継続的にAIを活用できます。
動画生成AI「Veo 2」を活用したテキストからの高品質な映像化
文章から映像を作成したい場合、Google AI Proでは動画生成AI「Veo 3.1 Fast」を利用できます(Google AI Ultraでは「Veo 3.1」にアクセス可能)。
テキストによる指示をもとに映像を生成でき、企画段階の映像イメージ作成やプロトタイプ制作に活用可能。さらに、Veoを基盤とした映像制作ツール「Flow」も利用でき、映像生成から編集までをまとめて進められます。
外部制作に頼らず、社内で映像素材を用意しやすくなります。
「Nano Banana Pro」を用いた直感的なクリエイティブ制作
画像制作では、Google AI Proで画像生成・編集モデル「Nano Banana Pro」を利用できます。
最大4K解像度での画像出力に対応しており、資料や広告用のビジュアル作成にも使用可能。人物の一貫性を保った生成や多言語の文字描画にも対応している点が特徴です。
Google AI Proでは月あたりの生成枚数上限が拡張され、日常的なクリエイティブ制作を社内で進められます。
「Whisk」による静止画から動画への変換
画像を動画素材として活用したい場合、Google AI Proでは「Whisk Animate」機能を利用できます。
写真やイラストと文章の指示を組み合わせ、Veo 2モデルを使った動画生成が可能。Google AI ProではWhisk Animateを使用して月間最大100本の動画を作成できます。
既存の画像データを動画に変換できるため、更新頻度が高い業務でも素材を再利用しやすくなります。
進化した「NotebookLM」での資料分析と情報整理の効率化
資料整理や調査では、Google AI Proに含まれるNotebookLMの上位機能が活用可能です。
1つのノートブックあたりの資料登録数が最大300件まで拡張されます。複数のPDFやWeb情報をまとめて扱い、AIによる分析や要約が可能です。
Google AI Proでは、音声概要や学習用ガイドの生成にも対応し、情報共有を進めやすくなります。
コーディングエージェント「Jules」による開発プロセスの自動化
開発業務では、Google AI Pro契約者向けにコーディング支援エージェント「Jules」の拡張が利用できます。
Gemini 2.5 ProおよびGemini 3 Proを基盤とし、コードの読み取りや修正案の提示・テスト作成などに対応。加えて、Gemini Code AssistやGemini CLIの利用上限も拡張されます。
反復的な作業をAIに任せることで、設計やレビューに時間を割けるでしょう。
「Deep Research」を活用した詳細な調査レポートの自動生成
調査業務を効率化したい場合、Google AI Proで利用回数が拡張された「Deep Research」機能を使えます。
Web上の情報を横断的に検索し、引用元を明示した調査レポートを自動生成できます。無料版では月5回までですが、Google AI Proでは1日最大20レポートまで利用可能です。
市場動向や競合分析など、時間を要する調査を短時間で進められます。
GmailやGoogleドキュメントと連携して日々の作業を自動化
日常業務では、Google AI ProによりGeminiがGmailやGoogleドキュメント、スプレッドシートに直接連携します。
メールの要約や返信案作成、文書の整理や構成補助・表計算の整理支援をアプリ内で進行可能。画面を切り替えずAIを使えるため、資料作成や事務作業にかかる時間を減らせます。
なお、対象は個人のGoogleアカウントに限られるので注意しましょう。
Google One特典の2TBストレージでデータを一元管理
データ管理では、Google AI ProにGoogle One特典として2TBのクラウドストレージが付属します。
Google DriveやGmail・Googleフォトで共通利用でき、画像や動画・業務資料をまとめて保存可能。無料プランの15GBと比べ、容量不足による制限を回避しやすくなります。
さらに、Google Oneファミリーの最大5人まで共有可能です。
Google AI Proの料金プラン

Google AI Proの料金は、AI機能と2TBストレージをまとめて利用できるシンプルな設計です。
| 項目 | 無料プラン | Google AI Pro |
|---|---|---|
| 月額料金(税込) | ¥0 | ¥2,900(初月無料) |
| 主要AIモデル | Gemini 3 Flash、一部3 Pro(制限付き) | Gemini 3 Pro(1日100回まで) |
| 画像生成(Nano Banana Pro) | 2枚/日 | 100枚/日 |
| 動画生成(Veo 3.1 Fast) | 利用不可 | 3本/日 |
| Deep Research | 5レポート/月 | 20レポート/日 |
| ストレージ容量 | 15 GB | 2 TB |
| Googleアプリ連携 | なし | あり (Gmail, Docsなど) |
| AI特典のファミリー共有 | なし | あり |
無料トライアルや割引を活用すれば、コストを抑えてGoogle AI Proの導入を判断できます。
Google AI Proと上位版「Ultra」の違い

Google AI ProとUltraは、利用できるAI機能の範囲や上限・料金に明確な違いがあります。
| 項目 | Google AI Pro | Google AI Ultra |
|---|---|---|
| 月額料金(税込) | ¥2,900 | ¥36,400 |
| 無料トライアル | 1ヶ月 | 3ヶ月間半額 (¥18,000/月), |
| ストレージ容量 | 2 TB | 30 TB |
| 主要AIモデル | Gemini 3 Pro(上位アクセス) | Gemini 3 Pro(最上位アクセス)、Deep Think、Gemini Agent |
| 動画生成(Veo 3.1) | Fast (3本/日) | フルモデル (5本/日) |
| 毎月のAIクレジット | 1,000 クレジット | 25,000 クレジット |
| Deep Research | 20レポート/日(上位アクセス) | 200レポート/日(最上位アクセス) |
| 追加特典 | Google Home Premium Standard | YouTube Premium 個人プラン、Google Home Premium Advanced |
一般的な業務効率化や分析用途であればGoogle AI Proで十分ですが、研究用途や大規模生成を想定する場合はUltraが選択肢になります。
Google AI Proの登録・解約方法

ここでは、Google AI Proの登録・解約方法を解説します。
- Google One公式サイトからのアップグレード手順
- 支払い方法の変更手順
- サブスクリプションの解約手順
それぞれ、詳しく見ていきましょう。
Google One公式サイトからのアップグレード手順
Google AI Proへの加入は、Google One公式サイトから進めます。
- Google One公式サイトへアクセス
- プラン一覧から「Google AI Pro」を選択
- プラン内容と価格(月額2,900円)を確認し、「申し込む」または「Google AI Proを入手する」を選択
- 支払い方法を登録し、申し込みを完了
- Gemini画面で「Pro」表示を確認
なお、対象は18歳以上の個人ユーザー向けです。
支払い方法の変更手順
Google AI Proの利用には、クレジットカードやデビットカードの登録が必要です。
- Googleアカウントに有効な支払い方法を登録
- 既存の支払い方法から変更する場合は、登録内容を切り替え
au/UQ mobileやPixel Pass経由でGoogle One契約がある場合、事前に現在の契約を解約する手続きが必要となる場合があります。
契約移行では、支払い済み料金は原則として払い戻しされません。
サブスクリプションの解約手順
解約はGoogle Oneの管理画面から手続きできます。
- Google Oneにアクセス
- 設定画面で「メンバーシップを解約」を選択
- 確認画面でもう一度「メンバーシップを解約」を選択し完了
無料トライアル期間中に解約すれば料金は発生しません。
解約は契約期間満了時に適用され、日割りの払い戻しは原則ないと覚えておきましょう。
Google AI Proの活用事例3選

ここでは、Google AI Proの活用事例を3つ紹介します。
- NotebookLMを活用した膨大な資料の即時要約
- Google Workspace連携によるプロジェクトの一元管理
- Deep Research機能を活かした高度な調査分析
それぞれ、詳しく見ていきましょう。
NotebookLMを活用した膨大な資料の即時要約
大量の資料を短時間で整理したい場合、Google AI Proに含まれるNotebookLMが役立ちます。
研究論文や業界レポートをアップロードすると、AIが内容を分析し、要点をまとめます。
Google AI Proでは、1つのノートブックあたりの資料登録数が無料版の5倍に拡張。複数のPDFや講義資料をまとめて扱えるため、調査や学習にかかる時間を抑えられます。
Google Workspace連携によるプロジェクトの一元管理
日常業務では、Google AI ProによりGmailやGoogleドキュメント・スプレッドシートとGeminiが連携します。
メール内容の整理や文書作成の補助を、アプリ内で進行可能。資料や進捗情報を同じ環境で扱えるため、プロジェクト管理がしやすくなります。
なお、対象は個人のGoogleアカウントであり、機密情報を扱う場合は法人向けプランの検討が必要です。
Deep Research機能を活かした高度な調査分析
調査業務では、Google AI Proで利用回数が拡張されるDeep Research機能を使えます。
Gemini 3 Proを用いて、Web上の情報を検索・整理し、引用元を明示した調査レポートを自動で生成。無料版は月5回までですが、Google AI Proでは1日最大20回まで利用可能です。
市場動向や競合情報の収集を定期的に進める場面でも、調査から整理までをまとめて進められます。
Google AI Proに加入する際の注意点

ここでは、Google AI Proに加入する際の注意点を紹介します。
- 個人アカウント限定および年齢制限などの利用資格の確認
- 無料トライアル終了に伴う自動課金の発生タイミングの把握
- 入力データの学習利用に伴うセキュリティリスクの理解
それぞれ、詳しく見ていきましょう。
個人アカウント限定および年齢制限などの利用資格の確認
Google AI Proは、18歳以上の個人ユーザーが管理するGoogleアカウントを対象としたサービスです。
Google Workspaceなど法人向けアカウントからは直接申し込めません。法人利用を検討する場合でも、登録は個人の「@gmail.com」アカウントで進める必要があります。
18歳未満は対象外のため、組織内で利用する際は、事前にアカウント種別と年齢条件を確認してください。
無料トライアル終了に伴う自動課金の発生タイミングの把握
Google AI Proには1ヶ月間の無料トライアルがありますが、期間終了後は月額2,900円(税込)の課金が自動で開始されます。
継続利用しない場合は、トライアル終了日までに解約手続きが必要です。解約が間に合わない場合は請求が発生し、日割りでの払い戻しされません。
課金開始日を把握したうえで管理してください。
入力データの学習利用に伴うセキュリティリスクの理解
Google AI Proでは、入力した情報がAIの学習に利用される可能性があります。
そのため、顧客情報や技術資料など、機密性の高いデータの入力は避ける必要があります。業務で扱う情報の内容に応じて、利用範囲を制限してください。
学習利用を前提としない環境が必要な場合は、法人向けプランの検討も選択肢になります。
Google AI Proに関するよくある質問

最後に、Google AI Proに関するよくある質問を紹介します。
- Q1.旧名称「AIプレミアムプラン」と現在のプランに機能的な違いはありますか?
- Q2.法人向けのGoogle Workspaceアカウントを使って申し込みは可能ですか?
- Q3.通常のGoogle Oneプラン(AI非搭載)とGoogle AI Proの決定的な違いは何ですか?
- Q4.Google Oneのファミリー共有機能で家族もAI特典を利用できますか?
- Q5.テキスト生成だけでなく動画や画像の生成機能にも対応していますか?
それぞれ、詳しく見ていきましょう。
Q1.旧名称「AIプレミアムプラン」と現在のプランに機能的な違いはありますか?
旧名称の「Google One AIプレミアムプラン」と現在のGoogle AI Proに、機能面の違いはありません。
2025年5月(Google I/O 2025にて)名称が変更されましたが、提供されるAI機能や2TBストレージの内容は同じです。Gemini 3 ProやNotebookLMなども、名称変更後も継続して利用できます。
名称のみが変わり、サービス内容は引き継がれています。
Q2.法人向けのGoogle Workspaceアカウントを使って申し込みは可能ですか?
Google AI Proは、法人向けGoogle Workspaceアカウントからは申し込めません。
対象は18歳以上の個人が管理するGoogleアカウント(@gmail.com)です。組織全体での利用や機密情報を扱う場合は、Gemini for Google Workspaceの検討が必要になります。
利用目的に応じて、アカウント種別を選択してください。
Q3.通常のGoogle Oneプラン(AI非搭載)とGoogle AI Proの決定的な違いは何ですか?
通常のGoogle Oneプランは、ストレージ利用が主な目的です。
一方、Google AI Proでは、Gemini 3 ProをはじめとするAI機能が利用可能。Deep ResearchやGoogleドキュメント内でのAI連携など、業務向け機能が含まれます。
ストレージのみを使うか、AI機能まで含めるかが選択の基準になります。
Q4.Google Oneのファミリー共有機能で家族もAI特典を利用できますか?
2025年6月30日以降、AI機能はファミリーマネージャーのみが利用可能となりました。ただし、2TBのストレージはファミリーグループの最大5人で共有できます。
また、利用できるAI機能の範囲は年齢やアカウント設定によって制限される場合があります。共有を前提とする場合は、各メンバーの利用条件を事前に確認してください。
Q5.テキスト生成だけでなく動画や画像の生成機能にも対応していますか?
Google AI Proでは、テキスト生成に加えて画像生成や動画生成に対応したAI機能が利用可能です。
動画生成ではVeo系モデル、画像生成ではNano Banana Proなどが含まれます。ただし、利用できるモデルや回数、生成内容には上限があります。
用途に応じて、対応範囲や制限を確認したうえで利用してください。
Google AI Proを導入して業務を効率化しよう!

本記事では、Google AI Proの特徴やできること、料金プラン、活用事例、注意点について解説してきました。
Google AI Proは、最新の生成AIモデルを活用しながら、資料整理・調査・開発・日常業務まで幅広く効率化できる点が強みです。一方、無料トライアル後の課金や利用資格、データの取り扱いには事前確認が欠かせません。
【Google AI Pro導入時の確認ポイント】
- 自社業務に直結する機能があるか
- 料金と想定ROIが見合っているか
- セキュリティや運用ルールを整備できるか
上記を整理したうえで検討すれば、Google AI Proは「導入して終わり」のツールではなく、日々の業務負担を確実に減らす選択肢になります。まずは無料トライアルを活用し、資料整理や調査業務など効果が見えやすい作業から試してみるのがおすすめです。
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