議事録のAIは会議効率を高める有力な手段ですが、導入を前に次のような悩みを抱える方も少なくありません。
「AIの精度やセキュリティに不安があり、どの議事録ツールが最適かわからない」
「無料と有料の違いや連携機能の有無を比較したい」
そこで今回は、AI議事録作成ツールの選び方とおすすめ10選を紹介します。
【記事を読んで得られること】
- 主要ツールの特徴と料金プラン
- Zoom/Teamsなどの連携可否
- 文字起こし・要約精度の見極め方
導入前に押さえるべきポイントも解説しているので、ぜひ参考にしてください。
AI議事録作成ツールとは

議事録AIツールは、会議や商談の音声をAIが自動で文字起こし・要約し、関係者に共有できる業務効率化システムです。手作業による議事録作成の時間と労力を削減できます。
最新モデルは生成AIを搭載し、キーワード抽出や要点整理まで対応。必要な情報をすばやく関係者へ届けられます。
導入により社員は記録業務から解放され、分析や判断といった中核業務に集中しやすくなります。
AI議事録作成ツールでできる5つのこと

AI議事録作成ツールは単なる文字起こしにとどまらず、会議全体の質とスピードを底上げできます。
ここでは、AI議事録作成ツールでできる5つのことを紹介します。
- 音声を自動でテキスト化できる
- 発言者ごとの発言内容を識別できる
- 会話の要点やキーワードを自動で抽出できる
- 要約やサマリーを自動で生成できる
- 作成した議事録をクラウドで保存・共有できる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
音声を自動でテキスト化できる
会議の音声を自動で文字起こしできるのが、AI議事録作成ツールの基本機能です。
録音を再生しながら手動で入力する必要がなくなり、作業時間を削減できます。
日本語対応エンジンを搭載したツール(例:RIMO Voice)は、句読点や語彙の精度も高く、業界用語にも柔軟に対応可能です。
発言者ごとの発言内容を識別できる
話者識別機能により、「誰が何を話したか」を明確に記録できます。
AI議事録作成ツールが発言ごとに話者名を自動で割り振るため、責任の所在やタスクの把握が容易になるでしょう。共同編集時の確認・修正作業も効率化できます。
会話の要点やキーワードを自動で抽出できる
発言から要点やキーワードを自動で抽出する機能も搭載されています。
長時間の会議でも、重要な内容を短時間で把握できます。
議事録AIとして活用する際には、TODOや期限などの発言が自動でタグ付けされ、次のアクション整理にも役立つでしょう。
要約やサマリーを自動で生成できる
生成AIを活用した要約機能により、会議の全体像を簡潔に把握できます。
長時間の議論も、ポイントを押さえた実用的なサマリーとして出力され、経営層への共有にも活用しやすくなるのが特徴です。正式な議事録をまとめる際のベースとしても活用できます。
なお、これはChatGPTでも以下のプロンプトで代替的に要約を作れます。

無論、上記の他にも多数のプロンプトが存在します。実際に業務で使いながら調整してみてください。
作成した議事録をクラウドで保存・共有できる
クラウド保存に対応したAI議事録作成ツールなら、情報共有のスピードが向上します。
データを一元管理できるため、検索・再利用・共同編集が容易です。
セキュリティ対策として、暗号化やオンプレミス型の導入が可能なツールを選ぶことも検討しましょう。
AI議事録作成ツールを選ぶときの5つのポイント

成果につながるAI議事録作成ツールを導入するには、判断基準を明確にして選ぶことが欠かせません。
音声精度や連携機能など、チェックすべきポイントは以下の5つです。
- 音声認識と文字起こしの精度を確認できる
- 専門用語や自社特有の言葉への対応力を見極められる
- 操作性やインターフェースの使いやすさを確かめられる
- 他の業務ツールとの連携が可能かをチェックできる
- 利用目的に合った料金プラン・導入形式を比較できる
それぞれ目的に合うツールを見極めていきましょう。
音声認識と文字起こしの精度を確認できる
AI議事録作成ツールの選定では、音声を正確にテキスト化できるかどうかが実用性を左右します。精度が低いと修正作業が増え、導入効果が得られません。
会議形式や録音環境に応じた精度を確認し、無料トライアルで実機検証するのがおすすめです。
ノイズ耐性やマイク性能との相性も事前にチェックしておきましょう。
専門用語や自社特有の言葉への対応力を見極められる
固有名詞や略語が多い業界では、AI議事録作成ツールの語彙対応力が精度を大きく左右します。学習機能や辞書登録に対応していない場合、手作業での修正が増え、業務効率が落ちてしまいます。
業種特化型ツール(例:医療・建設向け)など、自社に合ったモデルかを事前に確認しましょう。
操作性やインターフェースの使いやすさを確かめられる
誰でも扱える操作性かどうかは、現場定着に直結する要素です。
操作が煩雑なツールは使われず、導入効果が得られません。
ワンクリック録音、話者分離、ブックマーク、共同編集など、現場で役立つ機能が揃っているかを確認しましょう。
UIが直感的であれば、日常業務に定着しやすくなります。
他の業務ツールとの連携が可能かをチェックできる
既存システムとの連携可否は、AI議事録作成ツールの実用性を大きく左右します。
ZoomやTeamsと連携して自動で文字起こしできるか、CRMやSFAに内容を自動反映できるかがポイントです。
業務フローにスムーズに組み込むことで、情報共有と意思決定の速度が向上します。
利用目的に合った料金プラン・導入形式を比較できる
料金体系と導入形式は、ツールの費用対効果を左右する検討ポイントです。
月額制、録音時間課金、買い切り型などがあり、利用頻度やセキュリティ要件に応じて最適な形式を選ぶ必要があります。
クラウド型を選ぶ場合は、暗号化やアクセス制御など、基本的なセキュリティ機能の有無も必ず確認しましょう。
AI議事録作成ツールおすすめ10選

ROIに直結する議事録AIを導入するには、日本語精度・コスト・連携性・セキュリティの総合評価が欠かせません。
ここでは、実務で活用しやすい厳選10ツールをご紹介します。
- ギージー (Geasy)
- AI議事録取れる君
- Notta
- スマート書記
- LINE WORKS AiNote
- tl;dv
- ユーザーローカル音声議事録システム
- RIMO Voice
- toruno (リコー)
- AutoMemo
文字起こし精度や料金体系・セキュリティ仕様も含めて、詳しく見ていきましょう。
ギージー (Geasy)

ギージー(Geasy)は、話者分類正答率100%、誤字脱字正答率98.7%と高い再現性を誇るAI議事録作成ツールです。
会議内容を自動で要約し、決定事項やアクション項目を抽出できます。
無料で文字起こしが無制限に使えるため、コストを抑えたい中小企業にも最適です。
データは独自クラウド上で暗号化管理され、第三者認証による安全性も確保しています。
AI議事録取れる君

AI議事録取れる君は、TeamsやZoomなど主要会議ツールと連携し、リアルタイムで議事録を生成します。
AIが発言内容を自動で要約・整理するため、会議後のまとめ作業を効率化できます。
16言語の自動翻訳に対応しており、海外チームとの打ち合わせにも活用可能です。
月額980円から利用できる手軽さで、スタートアップにも導入しやすいプラン設計です。
Notta

Nottaは、58言語に対応したグローバル対応型AI議事録作成ツールです。
音声や録画を検索可能なテキストに変換し、AIが要点・決定事項・タスクを自動抽出します。
SOC-2やGDPRなど国際基準に準拠したセキュリティ設計で、企業利用にも対応。
無料プランでも月120分まで文字起こしが可能で、SlackやNotionなどと連携できます。
スマート書記

スマート書記は、特許技術による高精度な日本語認識(95%)を実現した国産AI議事録作成ツールです。
録音直後に自動で文字化・要約し、ToDo抽出にも対応しています。
累計4,000社以上への導入実績を持ち、セキュリティ面にも配慮された安定運用が可能です。
14日間の無料トライアルで、自社の会議環境に適した精度を検証できます。
LINE WORKS AiNote

LINE WORKS AiNoteは、日本語認識と話者分離に優れた法人向けAI議事録作成ツールです。
音声認識は国際大会で上位実績があり、ZoomやWebexなど主要会議ツールに対応しています。
ISO/IEC 27001などの認証取得により、機密情報の取り扱いにも配慮されています。
月300分まで使える無料プランもあり、精度や操作性を実環境で試せます。
tl;dv

tl;dvは、ZoomやMeetの録画・文字起こし・要約を無料・無制限で提供するAI議事録作成ツールです。
30言語以上に対応し、翻訳・要約・CRM自動連携まで一括で処理可能。
営業チーム向けに、会議内容の自動記録・メール下書き生成などにも対応。セキュリティ面ではSOC2やGDPR準拠をクリアし、安心して導入できます。
ユーザーローカル音声議事録システム

ユーザーローカルの議事録ツールは、無料・無制限で利用できる点が最大の特徴です。
ワードクラウド生成や感情分析など、視覚的に内容を整理できる補助機能も搭載。
AI要約機能は非対応ですが、文字起こしデータはCSV形式で出力でき、データ削除も簡単です。低コストで情報を残したい小規模チームに適しています。
RIMO Voice

RIMO Voiceは、日本語に特化した議事録AIで、文字起こし精度は97%を誇ります。
ChatGPTを活用して自然な要約も可能で、会議の全体像を効率よく把握できます。
話者分離やリアルタイム処理にも対応し、TeamsやZoomと連携可能な点も実用的です。
セキュリティ面はISO27017認証済で、法人導入にも適した設計です。
toruno (リコー)

torunoは、リコーが提供する日本語認識精度97%・話者分離対応のAI議事録作成ツールです。
AmiVoiceとAzure OpenAIを併用し、文字起こしから要約までを高精度に自動処理します。
画面キャプチャや日本リージョンでのクラウド保存、IP制限・2段階認証などセキュリティ対策も充実。情報管理が厳しい企業にも適しています。
AutoMemo

AutoMemoは、専用AIレコーダーと連携可能な文字起こし特化型ツールで、オフラインでも高精度に対応します。
録音データはクラウドへ自動送信され、要約・ToDo抽出も可能です。
買い切り端末+アプリの構成により、対面会議や外出先でも柔軟に活用できます。
ISO27001準拠の暗号化・安全設計により、セキュリティ基準もクリアしています。
AI議事録作成ツールを活用する5つのメリット

業務効率や情報共有の質を高めたい企業にとって、AI議事録作成ツールは実用性の高い選択肢です。以下のメリットを把握することで、導入効果を具体的にイメージできるようになります。
- 議事録作成にかかる時間と手間を削減できる
- 会議内容を正確かつ客観的に記録できる
- 会議の内容をすぐに共有できる
- 過去の会議データを一元的に管理できる
- 会議や商談の質を可視化して改善につなげられる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
議事録作成にかかる時間と手間を削減できる
議事録AIを使えば、音声データから短時間でテキスト化でき、手作業による入力作業を削減できます。リアルタイムの文字起こしや録音データからの自動変換により、担当者の作業負担が軽くなります。
要点抽出や自動サマリーも可能なため、文書整理の時間も不要です。削減できた時間は、会議準備や戦略立案など本来の業務へ充てられるでしょう。
会議内容を正確かつ客観的に記録できる
人手での記録では、聞き漏れや主観的な表現が入りやすくなりますが、議事録AIは以下のように音声をそのまま正確に文字に変換します。

誰がいつ何を発言したかを時系列で整理できるため、議論や結論の流れが明確になります。音声の保存が可能なツールなら、発言のトーンやニュアンスも後から確認可能です。
会議の内容をすぐに共有できる
クラウド型の議事録AIは、会議終了直後に文書共有が可能です。サマリー機能を使えば、長時間の議論も数分で要点だけ把握できます。
参加できなかったメンバーや経営層も、内容を短時間で確認しやすくなり、業務の判断や行動がスピーディーに。やり取りの簡略化にもつながり、チーム全体の動きがスムーズになります。
過去の会議データを一元的に管理できる
議事録AIのクラウド保存機能により、過去の記録を集約管理できます。検索機能を使えば、必要な発言や会議テーマにすぐアクセスでき、資料探しの手間を削減できます。
営業部門では、顧客との商談履歴を時系列で確認でき、担当変更時の引き継ぎもスムーズです。セキュリティ対応済みのツールを使えば、外部流出リスクも抑えられます。
会議や商談の質を可視化して改善につなげられる
議事録AIには、商談や会議の分析機能を搭載した製品もあります。発言量・キーワード・感情の傾向などを自動で分析でき、会話の特徴を客観的に把握できます。
営業現場では、顧客の反応傾向や商談の進行パターンを可視化し、行動改善に活かせるでしょう。組織全体での議論の質向上や営業力の底上げに役立ちます。
AI議事録作成ツールを活用する3つのデメリット

AI議事録ツールは効率化に役立つ一方で、導入や運用には注意が必要です。
成果を最大化するために、よくあるつまずきポイントを事前に押さえておきましょう。
- 文字起こしの精度に限界があり確認・修正が必要になる
- 録音環境やマイク性能によって認識結果が左右される
- 高機能なツールは導入と運用に一定のコストがかかる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
文字起こしの精度に限界があり確認・修正が必要になる
精度の高い議事録AIを使っても、発言の重なりや専門用語などは誤変換が発生しやすいのが現実です。固有名詞や略称の処理はまだ苦手な部分があり、最終確認は人の目でチェックする運用が前提になります。
修正作業を最小限に抑えるためには、あらかじめ許容できる精度ラインを決めておくと良いでしょう。
録音環境やマイク性能によって認識結果が左右される
音声をどれだけ正確に拾えるかで、議事録AIの性能は大きく変わります。雑音のある場所や低品質マイクでは正確な文字起こしが難しくなるため、会議室の環境整備や録音機器の選定が欠かせません。
高品質マイクを用意し、録音位置や音量を事前に確認しておくことで精度を安定させられます。
高機能なツールは導入と運用に一定のコストがかかる
導入費や月額料金が発生する点も、AI議事録ツールを選ぶ際の判断材料になります。高精度モデルやセキュリティ強化型を選ぶほど、運用コストが上がる傾向があります。
利用頻度や社内の情報管理体制を踏まえ、必要な機能を整理したうえで最適なプランを選ぶのが無駄を防ぐポイントです。
AI議事録作成ツールを使いこなす3つのコツ

AI議事録作成ツールを使いこなすには、精度を引き出すための工夫が欠かせません。
以下の3つを押さえることで、精度と効率の両立が図れます。
- できるだけクリアな音声で録音する
- AI学習機能や辞書登録を積極的に使う
- 必要な精度のラインをあらかじめ決めておく
それぞれ詳しく見ていきましょう。
できるだけクリアな音声で録音する
AI議事録作成ツールは、音声が聞き取りやすいほど文字起こしの精度も安定します。
録音状態が悪いと誤認識が増え、後処理の手間がかかってしまいます。
静かな環境で録音し、マイクの位置や音量も事前にチェックしておきましょう。
複数人で話す場面では、指向性のあるマイクスピーカーを使うと認識精度を高めやすくなります。
AI学習機能や辞書登録を積極的に使う
議事録の誤変換を防ぐには、ツール側の学習機能や辞書機能を使いこなすのが効果的です。
固有名詞や専門用語は、あらかじめ辞書に登録しておくと認識ミスが減りやすくなります。
多くのAI議事録作成ツールは、繰り返し使用することで語彙を学習する仕様になっているため、使い続けるほど精度向上が期待できます。
必要な精度のラインをあらかじめ決めておく
ツールによる文字起こしには限界があるため、あらかじめ許容できる精度を決めておくのがおすすめです。
たとえば、議事の要点さえ拾えれば十分なのか、発言の全文が必要なのかで作業方針は大きく変わります。最初に「どのレベルまで修正するか」を社内で共有しておけば、確認作業の負担も抑えられ、効率的な活用につながります。
AI議事録作成ツールを活用してビジネスを効率化させよう!

本記事では、AI議事録作成ツールの仕組みや選定ポイント、活用のメリット・デメリットを解説してきました。
AI議事録作成ツールを導入すれば、会議記録の手間を減らし、情報共有のスピードと精度を高められます。ただし、音声環境やツール特性を理解せず導入すると効果を最大化できません。
【AI議事録ツール導入時のチェックポイント】
- 音声認識・要約精度を比較する
- 他ツールとの連携可否を確認する
- データ保存や暗号化対応を把握する
議事録ツールの特性を見極め、自社の業務に最適な形でAIを活用していきましょう。
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