Microsoft社が開発したAIツールのCopilot(コパイロット)は、Windows・Office365といったビジネスツールとも連携させられる有用性を持っています。そして、copilotは無料でも使えるものの、以下のような悩みから業務に導入できないケースも少なくありません。
「無料版copilotでできることがわからない」
「有料版やその他のAIツールとの違いを知りたい」
そこで今回は、無料版copilotの使い方や導入手順、その他のツールとの違いなどを解説します。
【この記事を読んで得られること】
- 無料版copilotの機能
- 無料版copilotを活用するうえでの注意点
- 無料版copilotと有料版・その他AIツールとの違い
具体的な活用方法を知ることで効率的に業務を進められるようになるので、ぜひ参考にしてください。
copilot(コパイロット)は無料でも使える?

copilotは有料版の機能性ばかり注目されがちなため、一見するとコストをかけなければならない印象を持つかもしれません。
しかし、copilotは無料でも導入できる、一定の制限がありつつも十分業務効率化に役立ちます。むしろ、あまり予算のない小規模事業者には無料版の方がおすすめであり、画像生成や文章作成、ドキュメントの要約といった機能を使えばコスパを維持しながらリソースを削減していけるでしょう。
Microsoft edgeはもちろん、Chromeなどのブラウザやスマホでも利用でき、人間と話すのと同じような感覚で様々なリクエストに応えてくれます。これまで生成AIを使ったことがなかったり、パソコンスキル自体がなかったりする初心者でも本格的に使えるため、その点もcopilotが持つ大きなメリットと言えます。
無料版copilot(コパイロット)でできること

無料版copilotはある程度機能が限られているものの、それでも以下のような機能が利用できます。これだけでも十分業務効率化に役立つでしょう。
- チャットボットとのコミュニケーション
- 画像生成
- プログラミングコードの生成
- ストーリー・曲などの創作
- 文章作成
それぞれ詳しく見ていきましょう。
チャットボットとのコミュニケーション
copilotはチャット形式でやりとりする生成AIツールなので、難しい言語を使わずとも日常会話と同じ要領で指示を出せます。簡単な文章作成からプログラミングコードの生成、ビジネスアイデアの壁打ち相手としても重宝するので、ビジネスにおける様々なシーンで有用なアシスタントになってくれるでしょう。
また、copilotはMicrosoft edgeとの互換性が高く、トップ画面から直接指示を出せる点も大きな魅力。webリサーチを任せられるだけでなく、思いついたアイデアやタスクを即座にプロンプトできるため、WindowsユーザーにとってはChatGPTよりも使いやすい側面があるかもしれません。
ただし、無料版では対話回数に制限が設けられており、1日の合計チャット数は300回、1セッションあたりは30ターンとなっています。小規模事業であれば特に不足はないものの、部署の人数が多く利用頻度が多い場合はすぐに上限へ達してしまう点に注意が必要です。
なお、有料版ならこの制限は完全に撤廃され、無制限で利用できるようになります。
画像生成
copilotは画像生成にも対応しており、イラストベースで様々なテイストの画像を提供してくれます。さらに、シンプルなプロンプトでスピーディーに完結するため、コンテンツ制作などのクリエイティブな業務が多い企業には重宝するように思います。
ただし、無料版でのブースト回数は1日に15回と定められており、本格的に画像を生成させるうえではやや心許ないのが正直なところ。ブーストがなくなると生成するたびに数分以上待つケースもあるものの、有料版にすることで一気に100回まで制限が緩和されるので、自社の利用頻度に応じてプランを検討してみてください。
プログラミングコードの生成
無料版copilotはプログラミングコードの生成も可能となっており、特にスプレッドシートでコーディングを行う際は重宝するはずです。
無論、初心者では非常に難しい領域となるため、この辺りをAIで自動化できる点は企業にとっても大きなメリットと言えるのではないでしょうか。ただ、先ほど触れた通り無料版にはセッション回数に制限がありますから、あまり複雑なコード生成では上限に達するペースが早まります。
修正・検証なども同じくセッションとターン回数を増やす要因になるので、ある程度コーディングの知識を持ったうえで活用するのがベストと言えます。
ストーリー・曲などの創作
copilotは事務作業の効率化だけでなく、ストーリー・楽曲制作といったクリエイティブな分野でも役立ちます。
一般企業ではそこまで利用する頻度はないかもしれませんが、実はSNSの台本を作る際などに重宝するので、人的リソースを削減したい場合は積極的に活用すると良いでしょう。
もちろん、この場合もプロンプトはシンプルで問題ありません。「主婦が子育てで苦労する様子とそこから解決に向かっていく家庭のストーリーを考えて」とリクエストすれば、SNS投稿でも活用できるような骨子を数十秒程度で作ってくれます。
文章作成
先ほどと少し似ていますが、copilotは単純な文章作成でも役立ちます。ブログ記事だけでなく、ビジネスメールや会議のアジェンダ、自身のアイデアのまとめなどにも利用できるので、無料版であればよりコスパを高めて業務効率化を目指せるでしょう。
ただし、文章作成はファクトチェックや添削などでターンの回数を消費しやすい傾向にあります。セッション回数も上限に達しやすい懸念があるので、複数の社員が同じアカウントで同時に使いたいのであれば、やはり有料版の方がストレスを感じずに運用できるかもしれません。
無料版copilot(コパイロット)の利用手順

次に、無料版copilotを利用する手順を見ていきたいと思います。ここでは事前設定と実際の使い方に分けて解説するので、業務効率化に向けて導入を検討している方は、しっかり押さえておきましょう。
copilotの事前設定
copilotの事前設定手順は以下の通りです。
- Microsoft edgeの設定メニューを開く
- copilotの設定を開く
- Webリサーチをアクティブにする
Webリサーチも組み合わせて活用したい方は、ぜひ参考にしてください。
Microsoft edgeの設定メニューを開く
まずは、Microsoft edgeにアクセスして設定メニューを開きましょう。冒頭で触れた通り、異なるブラウザでも利用できますが、今回は最もスタンダードなやり方を見ていきます。
設定メニューはトップ画面右上にある「…」を押し、「設定」をクリックすれば簡単に開けます。比較的わかりやすいUIになっているため、特に迷わず進められるかなと思います。
copilotの設定を開く
次に、copilotの設定画面を開きます。左側のバーに多くの機能が表示されていますが、copilotの文字を見つければ比較的スムーズに進められるでしょう。

ここまではほんの数クリックで完結するので、copilotの利用を決めたら早い段階で済ませておくのがおすすめです。
Webリサーチをアクティブにする
copilotがweb接続できるように、以下の画面で機能をアクティブにしておきます。機能を拡充させるには重要な手順となるので、忘れずに設定しておいてください。

具体的な操作方法は簡単で、「web上の〜〜」の右側にあるトグルをオンにするのみです。無料版でもリサーチの幅が広がるので、Microsoft edgeとの親和性が高いcopilotならではのメリットと言えます。
copilotの使い方
次に、copilotの使い方を見ていきましょう。
- ブラウザを開く
- サインインする
- copilotを起動する
使い方自体はとてもシンプルなので、初めてでも特に迷わず利用できるのではないでしょうか。
ブラウザを開く
まずはMicrosoft edgeのブラウザを開きます。この手順は事前設定と大きく変わらないので、特に迷うことはないかなと思います。
Microsoft edge以外のブラウザを利用したいなら、こちらのURLからアクセスしてみてください。
サインインする
次に、サインインボタンをクリックします。Microsoftのアカウントでログインして、copilotを利用する環境にしましょう。

なお、企業単位で利用する場合、このログイン情報が外部に漏れると自由にcopilotが使えるようになってしまいます。紙媒体に残さず、定期的にパスワードを変えるなどして、外部の人間が使えないようにセキュリティ体制を整えてください。
copilotを起動する
ログインできたら、ブラウザの右上にあるcopilotのアイコンをクリックし、メニューを表示します。
いわゆる「サイドバー」という機能であり、これを起動することでいつでもcopilotを利用できるようになります。

出典:HowTo AI
copilotはチャット形式で柔軟にリクエストを読み取ってくれるので、まずは無料版から使用感を確かめてみてください。
無料版copilotが使えるブラウザ

無料版copilotは複数のブラウザで利用できます。主な種類は以下の3つです。
- Microsoft edge
- ChromeやSafariなど
- スマホアプリ
それぞれ詳しく見ていきましょう。
Microsoft edge
copiotoを利用するうえでまず押さえておくべきなのは、Microsoft edgeです。Windowsユーザーであればデフォルトで搭載されており、ニュース速報や天気予報などもトップ画面から簡単に閲覧できます。
もちろん、同じMicrosoft製のcopilotとの相性は数あるツールの中でも群を抜いており、最近は「@copilot」というスマートアシスト機能によって、より簡単に検索などを行えるようになりました。
Windowsユーザーであれば、ぜひ活用するべきツールと言えるでしょう。
ChromeやSafariなど
copilotはChromeやSafariでも利用できます。copilotとの親和性についてはMicrosoft edgeほどではないものの、それぞれの機能性と組み合わせることでより業務効率化が促進されるでしょう。
ただし、ChromeであればGoogle社のGeminiの方が互換性が高いので、あえてcopilotを使う必要があるかどうかはよく検討した方が良いでしょう。
スマホアプリ
copilotはスマホアプリでも利用できます。パソコンを立ち上げる必要もなく、片手で簡単にチャットボットへ問いかけられるので、企業単位というより社員ごとの細かい業務効率化に役立ちます。
そのため、アプリ版は出先で利用するなど、ブラウザ版と併用する運用がおすすめかなと思います。
無料版copilotと有料版・ChatGPT・Geminiとの違い

次に、無料版coppilotoとその他ツールの違いについて解説します。
- 有料版
- ChatGPT
- Gemini
自社に合ったツールを知るためにも、ぜひ参考にしてください。
有料版copilot
copilotの機能を十分に利用したい方は、有料版を検討するのがおすすめです。有料版であれば、ExcelやWord、PowerPointといったMicrosoft由来のツールと即座に連携できます。
図表作成に資料制作、データ分析といった機能がフルで使えるため、事務作業における人的リソースを削減したい方には重宝するはずです。
なお、具体的な料金形態は以下の通りで、もし企業単位で導入してもそこまで高額なわけではありません。
プラン | 月額料金 | 主な機能・制限 |
---|---|---|
Copilot Pro | 3,200円 | 個人向けプランWord、Excelなどとの連携対話回数の上限解除1日100回までDALL-E3で画像生成が可能 |
Copilot for Microsoft 365 | 4,497円 | 法人向けプランより多くのMicrosoftツールとの連携Formsでのアンケート機能高度なセキュリティ性能 |
たとえば、Excelと連携させればチャットボットに指示するだけで分析作業などを自動化できるので、新入社員・アルバイトといったスキル面で不足しがちな人材も即戦力として役立つのではないでしょうか。
なお、有料版なら画像生成の制限も大幅に緩和されます。クリエイティブ系の業務をメインとしている部署にもおすすめできるツールと言えます。
ChatGPT
ChatGPTはOpenAI社が運営する代表的な生成AIツールであり、copilotと同じくテキスト作成や図表制作、画像生成が行えます。Dall-Eとの互換性もあるため、幅広い業務で役に立つでしょう。
モデルの豊富さもcopilotと異なる特徴となっており、現在は5種類以上のモデルを使い分けて運用できます。スピード感、推論力、総合的な処理能力といった観点から選べるので、様々なシーンで効果を発揮するはずです。
ただ、ChatGPTはcopilotやGeminiのように特定の提携ブラウザが存在しません。ネットでのリサーチ力にも限りがありますから、ブラウザとの互換性を求めるなら他の生成AIツールも併用するのがおすすめです。

Gemini
GeminiはGoogle社が開発・運営している生成AI。CopilotよりもChatGPTに似た性質を持っており、複数のモデルがリリースされています。
ただ、こちらはGoogleと連携しているため、ネットリサーチを元によりリアルタイムかつ信憑性の高い情報を抽出できます。生成の精度はChatGPTにやや劣り、資料制作の効率性もcopilotの方が一枚上手ですが、世界最大の検索エンジンであるGoogleをフル活用したい方には特におすすめです。
無料版copilotの注意点

最後に、無料版copilotの注意点について見ていきましょう。
- プロンプトは具体的に記述する
- Microsoftツールとは連携できない
- Microsoft edgeが最も相性が良い
- 無料版には制限が設けられている
それぞれ詳しく解説します。
プロンプトは具体的に記述する
copilotにプロンプトを送る際は、具体的かつ簡潔にリクエストすることを意識してみてください。
たとえば、文章作成する際に「京都に関する提案をして」とぼんやりとした内容に留めるのではなく、「京都の観光名所をリストアップしておすすめの周り方を教えて」と詳細かつ要点を押さえてプロンプトしなければなりません。
画像生成、図表作成などでも同様なので、もし思ったような結果が得られない場合は、具体性と簡潔さを意識して作り直してみてください。
Microsoftツールとは連携できない
copilotはMicrosoft社が運営するツールではあるものの、無料版のままではその他オフィスツールと連携させることができません。
copilotの真価はExcelやWord、PowerPointと連携してこそ発揮されるので、機能をフル活用したいのであれば、やはり有料版がおすすめと言えます。
以下の記事では有料版copilotでできることを解説しているため、ぜひ参考にしてください。

Microsoft edgeが最も相性が良い
copilotは様々なブラウザで利用できるものの、やはりMicrosoft edgeが最も相性が良く、独自の機能も備えています。そのため、Windowsユーザーでない場合はやや機能性をフルに発揮できないかもしれません。
ただし、その他ブラウザであってもMicrosoft社のオフィスツールを使っているのであれば、copilotは十分に有用です。自社の利用環境を踏まえて総合的に判断してみてください。
無料版には制限が設けられている
本記事で触れた通り、無料版copilotには一定の制限が設けられています。具体的な内容は以下の通りなので、実際に利用する前に把握しておきましょう。
機能 | 制限 |
---|---|
対話回数 | ・1日のチャット数:300回 ・1日のセッション数:30ターン |
画像生成 | ブースト回数:15回 |
ファイルサイズ | 無料版では不可画像のアップロードのみ可能 |
上記の通り、利用頻度が一定以上の場合は有料版に切り替えるのがおすすめです。画像生成のブースト回数は1日100回まで緩和され、チャットでのやりとりについては無制限になります。
有料版の料金もさほど高額というわけではないので、多少なりとも不自由を感じるのであれば積極的に検討すると良いでしょう。
copilotを無料で利用してコスパ良く業務効率化を目指そう

今回は、無料版copilotの概要や活用方法、その他生成AIとの違いについて解説してきました。
Copilotは無料版でも十分多彩な機能を持っており、以下のような機能がデフォルトで備わっています。Microsoft edgeで利用することでより多彩なサービスが利用できるので、Windowsユーザーには特におすすめと言えるでしょう。
【無料版copilotでできること】
- テキスト作成
- 画像認証および作成
- コード解析
- 入力音声
- Youtube動画読み込み
なお、copilotの機能をフルに活用したいなら、やはり有料版に切り替えるのがベストです。まずは無料版で使用感などをたしかめて、十分な費用対効果が見込めるようなら積極的に検討してみてください。
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