画像生成AIの普及により、誰でも手軽に画像を作れる時代になりました。特に注目を集めているのがChatGPTを使った画像生成です。文章の入力だけで、ロゴやイラスト、写真風の画像を作成できます。
「デザインの知識がないけれど大丈夫?」
「思っている通りの画像を生成するコツが知りたい」
このようなお悩みを持つ人も多いのではないでしょうか。
本記事では、ChatGPTを使った画像生成の方法や活用のコツを紹介します。
【この記事で得られること】
- ChatGPTで質の高い画像を生成する方法
- ChatGPTで画像生成する際の注意点
- ChatGPTで画像生成をする際に併用したいツール
画像制作の効率化を目指す方や、新しいデザインツールを探している方は、ぜひ参考にしてください。
画像生成にChatGPTは活用できる?
ChatGPTは、OpenAIが開発した人工知能モデルの一つです。2024年現在では、DALL-E 3という画像生成エンジンと連携して、高品質な画像を生成できます。2023年10月に画像生成機能が実装され、従来の文章生成に加えて、視覚的なコンテンツも作成できるようになりました。
DALL-E 3は、ChatGPTと同じOpenAI社が手がける画像生成AIです。以前のバージョンであるDALL-E 2と比較して、テキストプロンプトの解釈精度が向上しています。ユーザーが入力した指示文の意図を正確に理解し、より忠実な画像を生成できることが特徴です。
従来の画像編集ソフトと異なり、文章での指示だけで画像を作成できる点が画期的といえます。画像生成に必要な専門的なスキルや知識は不要で、テキストプロンプトを入力するだけで希望の画像が作成可能です。デザインやイラストの制作経験がない方でも、直感的に操作できる仕組みとなっています。
ChatGPTで画像生成する方法
ChatGPTで画像を生成するには、GPTの画面で「画像を作成」という項目を選びましょう。画像のイメージを言葉で入力すると、AIが解釈して画像を作成します。
画像生成をするには、無料プランで作る方法と、有料プランに加入して作る方法があります。無料プランと有料プランで利用できる機能が異なるため、目的に応じて適切なプランを選択することが重要です。
無料プランで作る
無料プランでは、基本的な画像生成機能を利用できます。ただし、GPT-4と比べると品質や応答時間に制限が設けられているので注意しましょう。また、帯域幅や可用性にも制限があり、連続して使用することは困難です。
データの分析機能やファイルのアップロード、ビジョン機能なども制限されています。そのため、本格的な画像生成を行う場合は、制限事項を十分に把握しておく必要があるでしょう。
有料プランのChatGPT Plusに加入する
ChatGPT Plusは、月額20ドルで利用できる有料サービスです。Plus会員になると、画像生成の制限が大幅に緩和されます。生成回数の上限が増加し、より高画質な画像を作成することが可能です。また、新機能へのアクセスが優先的に提供され、サーバー混雑時でも安定したサービスを利用できるメリットがあります。
Plus会員は、GPT-4モデルを使用した高度な画像生成が可能です。応答速度が向上し、より複雑な指示にも対応できるようになります。さらに、生成された画像の解像度も向上し、商用利用に適した品質の画像を作成することも可能です。画像生成以外の機能も拡張され、データ分析やファイルのアップロード制限も緩和されます。
画像生成にChatGPTを使うべき理由4選
ChatGPTを画像生成に使うべき理由について、活用するメリット4点から説明していきます。
- 新しいデザインを提案してくれる
- 画像制作時間を短縮できる
- 商用利用できる
- 知識や技術がなくても作れる
デザイン制作の効率化や品質向上に大きく貢献する機能が備わっており、ビジネスシーンでも活用が広がっています。それぞれのメリットを詳しく見ていきましょう。
新しいデザインを提案してくれる
ChatGPTは、人間では思いつかないような斬新なデザインアイデアを提案します。人の手による画像作成では、作業者の感性や画風によってデザインに偏りが生じがちですが、ChatGPTは生成AIの仕組みにより、事実上無限に近いパターンの画像を作り出せるのです。
ChatGPTを利用することにより、豊富なデータベースを基に、最新のトレンドや独創的な表現方法を取り入れた画像を生成することが可能です。従来とは一味違う、新奇性のあるデザインを生み出せるため、クリエイティブな表現の幅が大きく広がるでしょう。デザインの方向性に迷った際は、AIからの提案を参考にすることで、新しい発想が得られるかもしれません。
画像制作時間を短縮できる
ChatGPTを使用すると、1枚あたり数秒から10秒ほどで画像を生成できます。人の手による作成に比べると、画像作成に費やす時間を劇的に短縮できるでしょう。従来の画像制作では、素材の収集や編集に多くの時間を必要としていました。
また、外注する場合と比較しても大きな利点があります。ChatGPTの使用では、イメージの共有やスケジュールの折衝、修正依頼といったコミュニケーションプロセスが不要です。文章での指示だけで画像を生成できるため、作業時間を大幅に削減できるでしょう。複数のバリエーションをすばやく作成し、比較検討することも容易となっています。
商用利用できる
ChatGPTで生成した画像は、2024年7月現在、商用利用が可能です。OpenAI社のコンテンツポリシーや利用規約を順守していれば、商用利用時に改めて同社の許可を得る必要はありません。ブログやSNS、広告素材として活用できるため、ビジネスシーンでも重宝します。
商用利用できるため、自社のビジネスに容易に取り入れられる点も大きな特徴です。ただし、著作権や肖像権には十分な注意を払う必要があります。特に、既存の商標やキャラクター、著作物に類似した画像を生成する際は、著作権侵害のリスクに気を配りましょう。
知識や技術がなくても作れる
特別なスキルや知識がなくても画像が生成できる点は、ChatGPTの大きな魅力です。「○○の画像を生成してください」といった自然言語での指示だけで、希望する画像を作成できます。従来の画像編集ソフトのような複雑な操作は必要ありません。
ブラウザ上で機能するため、専用ソフトのインストール作業も不要です。有料会員登録が完了した直後から使用できるため、すぐに画像生成を始められます。直感的な操作性により、初心者でも簡単に利用を開始でき、技術的な壁を感じることなく創造的な画像制作が可能であるのは利点でしょう。
ChatGPTで画像生成の質を高める方法7選
ChatGPTで高品質な画像を生成するためには、効果的な指示の出し方を理解することが重要です。画像生成AIの特性を活かしながら、意図した通りの結果を得るためのテクニックを押さえておきましょう。
- 作りたい画像のイメージを固める
- 具体的に指示を出す
- 英語で指示してみる
- 画像のスタイルを指定する
- 複数回指示を出す
- プロンプトをChatGPTで作る
- ChatGPT Canvasを活用する
これらの方法は、単独でも効果的ですが、複数の手法を組み合わせることでさらに優れた結果を得ることができます。各方法の詳細について見ていきましょう。
作りたい画像のイメージを固める
画像生成を始める前に、最終的な完成イメージを明確にすることが重要です。用途や目的、ターゲット層を考慮しながら、具体的なビジュアルイメージを固めていきましょう。色使いや構図、雰囲気などの要素を事前に決めておくと、より効率的に理想の画像を生成できます。
具体的に指示を出す
AIに対して曖昧な指示を出すと、期待通りの結果が得られない可能性が高くなります。例えば「新商品の販促用の少女の画像」といった漠然とした指示は避け、「一目でわかる笑顔の女の子で、帽子をかぶり、赤い服を着ている」というように、具体的な情報を与えることが重要です。
作成したい画像のイメージが明確な場合は、できるだけ言語化して詳細なプロンプトを作成します。背景やシチュエーションまで具体的に指示することで、表現の幅が広がるでしょう。具体的な描写が思いつかない場合は、「魅力的な画像を作るために、テーマに基づく具体的なシチュエーションを提案してください」とChatGPTに相談することも効果的です。
英語で指示してみる
2024年7月現在、ChatGPTは日本語でも精度の高い画像生成が可能です。しかし、OpenAI社製のAIチャットボットという性質上、英語での指示の方が文脈を正確に理解しやすい傾向にあります。特に複雑な要望がある場合は、英語でプロンプトを送ると指示により忠実な画像が生成される可能性が高いでしょう。
英語でのプロンプト作成に不安がある場合は、まず日本語でプロンプトを作成し、ChatGPTに英語への翻訳を依頼する方法がおすすめです。プロンプトは1つの文章にすべてを詰め込まず、複数の文章に分けることで、AIがより正確に意図を理解してくれます。日本語での生成がうまくいかない場合は、この方法を試してみましょう。
画像のスタイルを指定する
ChatGPTの画像生成では、入力した会話の文脈を理解しながら画像を出力していきます。生成する画像のスタイルを明確に指定することで、より意図に沿った結果を得られるのです。一度で完璧な画像を目指すのではなく、徐々に指示を加えながら理想の画像に近づけていく方法が効果的といえます。
写実的、抽象的、アニメ調など、具体的なスタイルを指示することも重要です。参考にしたいアーティストや作品のスタイルを指定することで、より質の高い画像生成が可能になります。
複数回指示を出す
ChatGPTは短時間で画像生成を完了でき、何度リテイクを繰り返しても疲労や不満が生じません。生成された画像が想像と異なる場合は、修正指示を出して完成度を高めていきましょう。
一般的な画像生成AIと異なり、ChatGPTはチャット内のやり取りをある程度記憶しています。つまり、「イラスト調に変換してください」や「登場人物を女性に変更してください」といった追加指示で画像を修正できるのです。また、DALL-E 3では生成画像にIDが付与されており、このIDを指定して修正指示を出すことで、より精度の高い修正がかないます。
ただし、追加プロンプトを送信すると、指定した部分以外も変更される可能性があります。プロンプトの内容は慎重に検討しましょう。最終的に最も優れた1枚を選び取ることで、訴求力のある画像を獲得しやすくなります。
プロンプトをChatGPTで作る
効果的なプロンプトを作成したいときにも、ChatGPTを活用してみましょう。理想の画像について説明すると、AIが最適な指示文を提案してくれます。例えば「企業のロゴデザインに使いたい画像を作るためのプロンプトを考えてください」といった形で相談すると、詳細な指示文を生成してくれるのです。
技術的な用語や表現の選択に迷った際も、ChatGPTに相談してみるのも一つです。また、生成されたプロンプトをさらに改善したい場合は「もっと具体的な表現にしてください」「別の表現方法も提案してください」といった形で対話を重ねることで、より精度の高いプロンプトを作成できます。
ChatGPT Canvasを活用する
ChatGPT Canvasは、OpenAIが提供するリアルタイム編集ツールです。生成された画像に対して直接編集や修正を加えることができ、すぐにフィードバックを受け取ることができます。基本的な編集ツールが備わっているため、追加のソフトウェアなしで画像の完成度を高めることが可能です。
画像の一部だけを修正したり、特定の要素に対して変更を加えたりする作業にも便利です。例えば、色調の調整や構図の微調整、要素の追加や削除などをリアルタイムで行えます。ChatGPTからの提案やフィードバックをすばやく反映できるため、効率的に作業を進められる点も大きな特徴です。
画像生成にChatGPTを使うときの注意点4選
ChatGPTで画像を生成する際は、いくつかの重要な注意点に留意しましょう。
- 商用利用できるか確認する
- 著作権侵害にあたる画像は避ける
- 画像のレベルに限界があることを把握しておく
- 他のツールも併用してみる
これらの注意点を意識することで、より安全で効果的な画像生成が実現できます。それでは、各項目について詳しく見ていきましょう。
商用利用できるか確認する
ChatGPTのDALL-E 3で生成した画像は、著作権が利用者に帰属し、幅広い商用利用が可能です。生成した画像は、再印刷・販売・商品化など、さまざまなビジネス目的で活用できます。例えば、SNSアイコンや自社のマスコットキャラクターの作成、そのキャラクターを使用した商品販売などは基本的に問題ありません。
このように、デザインが苦手な方でも、LINEスタンプの作成や販売といったビジネス展開が容易になります。ただし、同じDALL-Eの技術を使用するBing Image Creatorで生成した画像は商用利用が禁止されているため、利用するサービスごとに利用規約を確認することが重要です。
著作権侵害にあたる画像は避ける
画像生成AIと著作権問題は密接な関係にあります。著作権問題は、AI開発・学習段階、生成段階、利用段階の3つに分類されますが、ユーザーとして利用段階での著作権侵害に注意しておかなければなりません。文化庁の公表資料によると、AIを利用した画像生成でも、人間が絵を描いた場合と同様に、類似性と依拠性を基準に著作権侵害の判断が行われます。
著作権の侵害にあたらないようにするため、既存の著作物との類似性をチェックすることは不可欠です。ただし、画像生成AIをめぐる著作権問題は日本ではまだ判例がないため、具体的な基準は不明確な部分が多く存在します。そのため、著作権侵害のリスクがある場合は、オリジナルのデザインを心がけることが賢明です。
画像のレベルに限界があることを把握しておく
ChatGPTの画像生成機能は高性能ですが、すべての要望に完璧に応えられるわけではありません。複雑な形状や細かなディテールの表現には、まだ技術的な制限があります。特に、写真風の画像における精緻な装飾や複雑な指の動きなどは、現状のAIでは正確な表現が困難です。
このような技術的な限界を理解した上で、画像生成AIの得意分野を活かすことが重要です。シンプルな構図や明確な要素を持つ画像の生成から始め、徐々に複雑な表現に挑戦していきましょう。
他のツールも併用してみる
必要に応じて、他の画像生成ツールや編集ソフトウェアを併用することを検討しましょう。ChatGPTだけでは実現できない機能や表現がある場合は、複数のツールを組み合わせることで、より質の高い画像制作が可能になります。例えば、ChatGPTで基本的な画像を生成し、その後で専用の画像編集ソフトを使って細かな調整を加えるという方法も効果的です。
特に商用利用を目的とする場合は、プロフェッショナルな仕上がりを実現するために、複数のツールを使い分けることが重要です。それぞれのツールの特徴や長所を理解し、目的に応じて適切に活用することで、画像制作の可能性が大きく広がります。
画像生成でChatGPTと併用したいツール2選
画像生成の幅を広げるために、ツールを併用することもおすすめです。画像生成に役立つツールを2つ紹介します。
Napkin AI
Napkin AI(ナプキンエーアイ)は、効率的に図解やグラフなどの視覚的なコンテンツを作成できるAIツールです。複雑なデザインソフトと異なり、使いやすさを重視した設計で誰でも簡単に図解を生成できます。デザインやグラフィックの知識がなくても、複雑なデータやテキストを短時間で図式化できる点が魅力です。
図解やグラフの自動生成、豊富なテンプレート、カスタマイズ機能など、多彩な機能を備えています。直感的な操作性に加え、プレゼン資料のテキスト作成も可能です。ビジネスや教育現場、個人のクリエイティブワークまで幅広く活用でき、ChatGPTと組み合わせることでより効果的な視覚コンテンツを作成できます。
Stable Diffusion
Stable Diffusionは、イギリスのStability AIが開発した画像生成AIです。Hugging FaceやDream StudioなどのWebアプリケーション上で利用できるほか、PCにダウンロードしてローカル環境でも使用できます。オープンソースとして公開されているため、多くのサービス提供者がStable Diffusionを組み込んだ独自の画像生成サービスを展開しているのが特徴です。
利用規約は、Stable Diffusion本体と各サービス提供者のものを確認する必要があります。Stable Diffusionと主要サービス(Hugging Face、Dream Studio)では、一部制限付きながら商用利用が可能です。PC版は無料で利用できますが、Webアプリケーションでは枚数制限が設けられているものもあるため、用途に応じて適切なプランを選択しましょう。
画像生成にChatGPTをフル活用しよう
ChatGPTの画像生成機能は、デザインスキルがなくても高品質な画像を作成できる強力なツールです。基本的な使い方を押さえ、英語でのプロンプト作成や具体的な指示、複数回の試行など、さまざまなテクニックを組み合わせることで、より優れた画像を生成できます。
商用利用や著作権には十分な注意を払いながら、必要に応じて他のAIツールと併用することで、画像制作の可能性はさらに広がります。今後も進化を続けるAI技術を活用し、効率的で創造的な画像制作にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。