Microsoft社だけでなく、その傘下のGitHubもCopilotを展開しており、こちらはコード生成・補完機能に長けたアシストツールとして重宝されています。2024年からは無料プランもリリースされましたが、以下のような悩みから利用できないケースも少なくありません。
「GitHub copilotの使い方がわからない」
「新しい機能を知りたい」
そこで今回は、GitHub copilotの使い方やメリット、新たに発表された機能などを解説します。
【記事を読んで得られること】
- GitHub copilotの使い方
- GitHub copilotの新機能
- GitHub copilotの注意点
今回はGitHub copilotの各種プランについても掲載しているので、ぜひ参考にしてください。
GitHub copilotとは?

Microsoft社が提供するcopilotは、データ分析や文章作成、画像生成といった多彩な機能を備えた生成AIツールですが、GitHub copilotの場合はコード生成・補完に特化したツールとなります。
ユーザーが入力した日本語でのプロンプトにもとづいてコード生成できるだけでなく、書き途中のコーディングも続きから作成してくれるので、初心者には特に重宝するのではないでしょうか。
多言語対応しているため、アプリやソフトウェア、web開発の領域でも役立つはずです。なお、GitGub copilotはChatGPTのような独立したアプリではなく、特定の開発環境・ツールにプラグインとしてインストールする形態。特にVScodeは多くのユーザーが利用しているので、本記事の後半でも使い方を解説していきます。
対応言語
GitHub copilotは以下のような開発言語に対応しているので、主要なものはほぼ網羅しているものと考えて良いでしょう。
- Python
- JavaScript
- TypeScript
- Ruby
- Go
- Java
- C#
- C++
- C
webアプリに加えてデータ分析、システムプログラミングといった領域をこれ一つでカバーでき、マークアップ言語に関するサービスも比較的豊富です。HTML、CSS、JSOなどもカバーしているので、幅広い開発業務をサポートしてくれるでしょう。
契約プラン
GiHub copilotには無料プランを含めて複数の選択肢が設けられています。
- GiHub Copilot Free
- GitHub Copilot Pro
- GitHub Copilot Business
- GitHub Copilot Enterprise
- GitHub Education
ユーザーのニーズに応じて選ぶことで、よりコスパ良く活用できるので、ぜひ参考にしてください。
Pro・Business・enterpriseの一覧表
Proプラン | Businessプラン | enterpriseプラン | |
---|---|---|---|
料金 | 月額10ドル年間100ドル | ユーザーあたり月額19ドル | ユーザーあたり月額39ドル |
コードの収集 | 無効化設定が可能 | × | × |
著作権対策 | ○ | ○ | ○ |
組織単位でのポリシー管理 | × | ○ | ○ |
モバイルでの利用 | × | × | ○ |
Bingとの連携 | × | × | ○ |
GiHub Copilot Free
無料プランに相当するGiHub Copilot Freeは、2024年12月よりリリースされました。チャットボットがインストールできるだけでなく、毎月2,000件のコード補完、50件のメッセージも可能。
一定の制限はあるものの、そもそも無料で使えるプランが存在しなかったため、お試しで使用感を確かめたい方には特におすすめと言えます。なお、簡単なコード生成・補完程度であれば無料プランだけでも十分ですから、コストを抑えたい方にも重宝するでしょう。
GitHub Copilot Pro
個人利用者向けのGitHub Copilot Proは、基本的なコード補完機能だけでなく、VScodeといった開発環境でも利用できます。関数にプロンプトからのコード生成も対応しているため、開発業務において大きな不足は感じないように思います。
価格は月間10ドルで、年契約であれば100ドルとさらにリーズナブルになります。ベースの料金相場自体がそこまで高額ではないため、小規模事業者やフリーランスには大変おすすめです。
GitHub Copilot Business
GitHub Copilot Businessは中小規模の組織に向けたプラン。基本的な性能はProと変わりませんが、こちらはセキュリティシステムがより強固となっています。
GitHub Copilotはユーザーが入力したコードを学習する機能が備わっていますが、このプランであればその機能を停止し、社外に機密コードなどが漏れるリスクを大幅に抑えられるでしょう。
組織全体の管理・監査ログなども搭載しており、知的財産権侵害に対する補償も標準搭載。指定ファイルの除外機能など、より組織向けに整えられたプランです。
価格は一人のユーザーあたり月間19ドルに設定されているため、一般的な開発ツールよりも比較的リーズナブル。ただ、Organization、enterpriseアカウントが必要になってくるので、詳細はGitHubに問い合わせてみてください。
GitHub Copilot Enterprise
GitHub Copilot Enterpriseは大規模組織に適したプランであり、Businessプランよりもさらに高度で緻密なポリシー設定が設けられています。
そして、このプランではMicrosoft社が提供するBingと連携させることも可能。つまり、web検索しながら開発が行えるだけでなく、AIのカスタマイズ性も充実しています。
価格は一人のユーザーあたり月間39ドルですが、大規模事業者向きのツールとしてはやはりリーズナブルな水準と言えるでしょう。加えて、enterpriseではプレミアムサポートも利用できるので、細かい不明点なども丁寧に対応してもらえます。
GitHub Education
GitHub Educationは教育機関向けに設けられている無料プランであり、学生や教職員をメインに以下が対象となっています。
- 中学・高校・大学・ホームスクールやそれに準ずる教育機関で学位を取得できるコースに在籍中。
- 「所属する学校が発行するメールアドレス」または「現在の在学状況を証明する書類(在学証明書・学生証など)」を持っている
- GitHub個人アカウントを保有している(ビジネスアカウントは不可)
- 13歳以上であること
基本的に、教育機関であればこのプランは利用できますが、事業者にはあまり関わりがないプランと言えます。もし教育関係のサービスを展開する場合は検討すると良いでしょう。
GitHub copilotの使い方

ここからは、GitHub copilotの使い方を以下のステップに分けて解説します。
- Freeプランを始める
- VS Codeをインストールする
- チャット機能をインストールする
それぞれ詳しく見ていきましょう。なお、今回は個人ベースで利用する手順をメインにしています。
Freeプランを始める
まずはGitHub copilotのページにアクセスし、Freeプランを選びましょう。課金はなく、「Get started」をクリックすれば問題ありません。
次に、アカウントにログインすればチャットページに移行します。

なお、ここでVScodeに接続したい場合は、右下の開発環境を選択しましょう。
VS Codeインストールする(任意)
GitHub copilotはVScodeからもインストールできます。まずは公式サイトでVScodeをダウンロードして、サイドバーの拡張機能アイコンを選びましょう。
次に、検索バーが表示されるため、そこに「GitHub copilot」と入力すれば拡張機能として表示されるはずです。最後にinstallのボタンを押してアクティブにすれば完了です。
チャット機能をインストールする(任意)
GitHub copilotとチャット機能は異なるツールとなるため、もし利用したい場合はインストールしなければなりません。とはいえ具体的な手順はVScodeにGitHub copilotを導入するのと同じなので、そこまで迷うことはないでしょう。
チャットサポートはコード生成を効率化するうえで大変重要な機能となるため、早い段階からインストールを済ませておくのがおすすめです。
GitHub copilotの活用方法

次に、GitHub copilotを活用する方法について解説します。
- チャットボットによる質問回答
- プログラミングコードの補完
- ドキュメントの作成
- csvファイルの読み込み
それぞれ詳しく見ていきましょう。
チャットボットによる質問回答
チャットボットがリアルタイムで質問回答してくれる点は、GiHub copilotが持つ最大の利点の一つと言えるでしょう。複雑な言語は必要なく、日常会話と同じようにリクエストすれば、AIが即座に内容を理解してコードなどを生成してくれます。
これまで生成AIを使ったことがない方はもちろん、コーディング初心者でも一定の業務品質が期待できるので、新入社員を即戦力として配置するうえでも重宝するはずです。
ただし、無料プランではメッセージの回数に制限が設けられています。もし利用頻度が高い場合はBusiness以上に切り替えるのがおすすめなので、この辺りは実際に利用しながら検討してみてください。
プログラミングコードの補完
プログラミングコードの補完はGitHub copilotの強みでもあり、すでに一定のスキルを持っているプログラマーにとっても役立ちます。
ゼロから生成すると品質の観点から不安を感じるケースも多いかもしれませんが、ある程度自身で組んだコードを補完してもらえるのであれば、より幅広いシーンで活用できるでしょう。
ファイルの拡張子、既存コード、コメントや関数・変数といったコンテキストを考慮してコードを補完してもらえるので、これまで発生していた工数の短縮にもつながるはずです。
ドキュメントの作成
一般的な生成AIツールと違い、GitHub copilotはコーディングに即したドキュメント作成にも対応しています。
すでに完成しているコードを読み込ませたうえで、「ドキュメントを日本語で生成して」と指示するだけで日本語の注釈が入るため、社内共有の効率も向上します。
また、この機能はクライアントへプレゼンするうえでも有用です。そもそもコーディング自体がわからない企業から依頼を受けることも多いため、注釈を添えつつ説明すれば、違いの認識の齟齬を回避しつつ、きちんとパフォーマンスを紹介できるでしょう。
csvファイルの読み込み
GitHub copilotはcsvファイルの読み込みにも対応しており、csv内の情報を自動で読み込んでプログラムを生成してもらえます。
スキーマの作成だけでなく、掲載しているデータの平均値なども読み取れるため、コーディングはもちろん、事務作業においても役立つのではないでしょうか。
GitHub copilotのメリット

次は、GitHub copilotのメリットを3つ解説します。
- 書きかけのコードを自動補完してくれる
- 自然言語からコード生成できる
- 新機能が続々とリリースされている
ツールの利点を最大限利用するためにも、ぜひ参考にしてください。
書きかけのコードを自動補完してくれる
先ほど触れた通り、GitHub copilotは作りかけのコードを認識したうえで自動補完します。それに加えてユーザーのコメントも考慮した結果を提供してもらえるので、コーディングの業務効率化においては大変おすすめです。
一定の土台があればゼロからのコード生成よりも品質を担保でき、クオリティを保ったままクライアントに成果物を納品できます。初心者だけでなく、プログラマーにとっても役立つ機能と言えるでしょう。
自然言語からコード生成できる
GitHub copilotは日常的に使う日本語(自然言語)で本格的なコーディングを行ってくれます。「〜〜を〜〜するためのコードを生成」といった形でも問題ないため、コーディングの知識がまったくない方でも本格的な開発が行えるでしょう。
また、自然言語で生成したコードはGitHub copilot自体に補完させることも可能です。スキルの習熟度を問わず活用できるので、まずは簡単なプロンプトから使用感を確かめてみてください。
新機能が続々とリリースされている
GitHub copilotはすでに高水準の機能を備えていますが、さらに利便性を高める機能が次次とリリースされています。もちろん、無料プランもその一つです。
詳細は後で解説しますが、将来的にも多くの機能が追加される期待も持てるので、GitHub copilotは継続的に利用し、無駄なく活用できるようにした方が良いでしょう。
GitHub copilotの具体的な使い方

次は、GitHub copilotの具体的な使い方について見ていきます。
- ①ファイルを作成する
- ②コマンドを実行させる
- ③テスト用データを作成する
- ④ドキュメントの作成
- ⑤csvファイルを読み込む
それぞれ詳しく見ていきましょう。
①ファイルを作成する
まずはGitHub copilotでファイル構成・セットアップを行います。これは自動で構築でき、「〜〜の土台を作成して」「雛形を作成して」と指示すれば完結します。

また、「ワークスペースの作成」を押せば任意のファイルにプログラムを保存できます。特定の保管場所を作って組織単位で管理できるようにしましょう。
②コマンドを実行させる
GitHub copilotはコマンドも実行できます。チャットでコマンド実行を指示するだけで生成されるため、実際にコード生成した際は試してみてください。

今回はPythonを例にしていますが、もちろん他の言語にも対応しています。
③テスト用データを作成する
テスト用データも簡単に生成できるため、人の手で作成するよりも大幅に手間を減らせるはずです。もちろんこの工程も「〜〜のテストデータを作成して」と簡単なプロンプトでリクエストできます。
実際の開発品質を判断するうえでも重宝するので、こまめに実施すると良いでしょう。
④ドキュメントの作成
先ほど触れた通り、ドキュメントの作成もGitHub copilotでカバーできるため、クライアントへ提出する際は、社内で共有したい時は積極的に活用しましょう。
無論、プログラムを作成するうえでもこの工程は重要度が高いです。自身の情報を整理する意味合いも含め、基本動作として取り入れておくのがおすすめです。
⑤csvファイルを読み込む
csvファイルを利用したコーディングもGitHub copilotで完結します。「〜〜のデータをもとにして〜〜を作成して」とプロンプトするだけで生成できるので、すでに情報をcsvで整えている場合はぜひ試してみてください。

また、特定の項目を指定すれば平均値なども抽出してもらえるので、単純な事務作業においても重宝するはずです。
GitHub copilotの新機能

GitHub copilotは継続的に新機能をリリースしており、従来よりもさらに使いやすい仕様となっています。
今回は、「agent mode」と「Copilot Edits」を解説するので、ぜひ参考にしてください。
agent mode
2025年にプレビュー版が公開されている「agent mode」は、コードの修正に合わせて既存のテキストコードも変更し、テストに失敗した際は自動的にデバッグも行います。
プロンプトすればコーディングのプランも提案してもらえるため、これまでよりもさらに開発を効率化することが可能です。なお、まだ正式にリリースされたわけではないので、気になる方はVS code insidersから利用してみてください。
Copilot Edits
Copilot Editsは複数のファイルにまたがるコード変更、生成に自動で対応できます。従来よりも複雑な指示を一元的に対応してもらえるので、より効率的に開発が行えるはずです。
たとえば、「個人情報が記載されたコンタクトページを追加」と既存コードに対するプロンプトを入力すれば、生成AIが瞬時にルーティングを組み、ファイルやコードも追加してくれます。
先ほど触れたagent modeと組み合わせれば、これまでの機能をさらにフル活用できるでしょう。
GitHub copilotの注意点

次は、GitHub copilotを利用する際の2つの注意点について解説します。
事業としてプログラミングを行ううえでは非常に重要なポイントとなるため、ぜひ参考にしてください。
著作権侵害に注意
著作権侵害については、GitHub copilotだけでなく、生成AI全般を利用するうえで最も注意するべきポイントです。
生成AIは数あるユーザーが入力したコードとその生成結果を蓄積して学習するので、すでに他社に対して生成されたコードと非常に類似した結果が提供される可能性があります。
生成元の情報を調べるのは難しいのが実情ですが、調査する部署や担当を設けてリスクに備えておくのがおすすめです。
なお、有料プランであればこの手のトラブルは一定カバーできます。安全性の高い環境で開発を行いたいのであれば、ある程度コストをかけるのも必要かなと思います。
法的ガイドラインをチェック
GitHub copilotを利用する際は、事前に法的ガイドラインをチェックするのがおすすめです。これは公式サイトに掲載されているので、自社が違反行為に抵触しないかをよく確認してみてください。
また、このガイドライン自体を社員全体に周知するのではなく、自社でマニュアル化して誰でもわかりやすく整備するのも効果的。新入社員やアルバイトのスタッフでも理解できるように、ある程度法的知識を持った社員も交えて作ると良いでしょう。
GitHub copilotを活用してプログラミングをより効率化しよう

今回は、GitHub copilotの活用方法や導入手順、メリットなどを解説してきました。
GitHub copilotは無料で利用できるうえに、有料プランに切り替えればより安全性の高い環境で利用できます。具体的なメリットは以下の通りです。
【GitHub copilotのメリット】
- 書きかけのコードを自動補完してくれる
- 自然言語からコード生成できる
- 新機能が続々とリリースされている
最近はagent modeやEditsなどもリリースされているので、さらに効率的に開発できるようになっています。将来的により充実した機能が搭載される期待も持てるので、今のうちから最新情報をキャッチできるように利用を検討してみてください。
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