ChatGPTの機能は日々進化しています。特に「o1 Pro mode」は、複雑な思考や高度な出力を要する場面で選ばれる最上位モデルです。しかし、以下のような悩みを持つ方も多いでしょう。
「ChatGPTのo1 Pro modeの料金は?」
「ChatGPT o1 Pro modeと4oの違いは?」
この記事では、ChatGPT o1 Pro modeの月額料金や具体的な使い方、4oとの違いやテスト結果を解説します。
【この記事を読んで得られること】
- ChatGPT o1 Pro modeの特徴と料金がわかる
- ChatGPT o1 Pro modeと4oの違いがわかる
- ChatGPT o1 Pro modeの弱点がわかる
ChatGPT o1 Pro modeを業務で使用したいと考えている方は、本記事を参考にしてください。
ChatGPT o1 Pro modeとは?

ChatGPT o1 Pro modeは2024年12月にリリースされた最上位モデルです。
大規模なデータセットと深層学習アルゴリズムを組み合わせ、高度な分析力と推論力を発揮します。
これまでのChatGPTと同様に、会話形式でユーザーの意図を深くくみ取り、単純な回答だけではなく、背景や文脈を踏まえた説明や提案もしてくれます。
専門的な問題や学術的なトピックでも高度な推論力を発揮し、従来のモデルでは応じにくかった内容にも対応可能です。
また、コード生成や論文の下書きも得意とするため、研究や開発の現場で利用されることが増えています。
ChatGPT o1 Pro modeは、クリエイティブワークや分析作業の効率化に適したモデルです。
ChatGPT o1 Pro modeの特徴

ChatGPT o1 Pro modeには以下の特徴があります。
- 深く思考してくれる
- 高度なアウトプットをしてくれる
- 東大の入試問題にも解答できる
ビジネスの場でもさらに活用の幅が広がったo1 Pro modeの特徴を解説します。
深く思考してくれる
o1 Pro modeは、ユーザーの質問に対して表面的な答えを返すだけではありません。
ユーザーの質問意図や背景を考慮し、論理的な飛躍がないか検証しながら答えを提示します。
ある特定のテーマを質問すると、その周辺情報にも踏み込み、関連する要素を整理したうえで提案してくれる点が特徴です。
例えば、ビジネス戦略に関する質問をした場合、その場しのぎの回答ではなく、予想されるリスクや将来的な発展性も含めた考察を提示します。
これがo1 Pro modeが「深く思考してくれる」といわれる由縁です。
さらに、実務で活かせる具体案も提示してくれるため、ユーザーはこれまで以上に思考やアイデアを整理しやすくなります。
高度なアウトプットをしてくれる
o1 Pro modeは、プログラミングや科学研究などの専門性が高い分野にも対応しやすい設計です。
プログラミングの現場では、コードの最適な書き方とエラーを減らす工夫を教えてくれるため、作業効率が向上すると評価されています。
また、研究データの整理や統計分析でも、複雑な数式や概念を踏まえた出力を返せる点が強みです。
プログラム言語の違いやライブラリのバージョンに応じて最適な対処法をアドバイスするケースも多く、初心者から上級者まで幅広い層が活用しています。
論文執筆をサポートする場合は、実験計画のアイデアを補助し、結果の考察に役立つ視点を示すことが可能です。
o1 Pro modeは、対話型AIとして働くだけではなく、専門知識にもとづいた高度なアウトプットを生み出してくれます。
東大の入試問題にも解答できる
o1 Pro modeは数理的推論に強く、大学入試レベルの数学問題にも対応できると評判です。

実際に2024年の東大理系数学の第3問に挑戦させたところ、上記のように正答しました。
解法の手順も論理立てて示し、計算プロセスを省略せず伝えられる点が優秀です。
難易度が高い積分問題や微分方程式も、途中式を丁寧に書き出してくれる場面がありました。
このような数理分野での高い正答率は、単に情報を検索するだけではなく、問題の背後にある理論や定理を参照していることが理由です。
o1 Pro modeは、問題文を要約したあと、適切な公式や定義を組み合わせて最短ルートの解法を導き出せる設計になっています。
ChatGPT o1 Pro modeと他モデルの違い

ChatGPT o1 Pro modeと他のモデルとは、料金や処理速度に違いがあります。
o1 Pro modeの導入を検討している方のために、それぞれの違いを比較します。
ChatGPTの料金比較
o1 Pro modeは2025年2月時点で最上位モデルとなっているため、料金が高く設定されています。
以下、ChatGPTの無料プラン・ChatGPT Plus・ChatGPT Proの料金を比較しました。
料金プラン | 月額費用 | 特徴 |
---|---|---|
無料版 | 0ドル | GPT-4o へのアクセス制限あり |
ChatGPT Plus | 20ドル | o1 および o1-mini へのアクセス制限あり |
ChatGPT Pro | 200ドル | GPT-4o と o1 への無制限アクセスが可能 |
ChatGPT PlusとChatGPT Proには料金に10倍の差がありますが、頻繁に4oやo1を使用する方には、無制限で利用できるChatGPT Proが適しています。
ChatGPTの性能比較
性能面では、o1 Pro modeのパラメータ数や学習データ量が他モデルを上回っています。
特に、多言語処理においては以下のような結果になりました。

引用:Open AI|OpenAI o1 System Card
どの言語でもChatGPT 4oより高い理解力を示しています。
o1 Pro modeは、難解な数学だけではなくさまざまな言語処理にも対応可能です。
ChatGPT o1 Pro modeの登録方法と使い方

ChatGPT o1 Pro modeを使うためには、ChatGPT Proへの加入が必要です。
ここでは、画像を用いて登録方法と使い方を解説します。
ChatGPT o1 Pro modeの登録方法

まずはChatGPTの公式サイトにアクセスします。

画面右上の丸いアイコンをクリックし、「サブスクリプション」→「管理する」→「プランを変更」をクリックします。

右の「Proを取得する」をクリックして支払い情報を入力すると、o1 Pro modeが使えるようになります。
ChatGPT o1 Pro modeの使い方
ChatGPT o1 Pro modeを使う際は、モデルを選択するだけで使用可能です。
画面右上にある「ChatGPT 4o」をクリックすると、他のモデル一覧が表示されます。

「o1 Pro mode」を選択すると、モデルが切り替わりo1 Pro modeが使用できます。
ChatGPT o1 Pro modeと4oの成果物を比較

ChatGPT o1 Pro modeと4oに、どの程度差があるのか気になる方も多いと思います。そこで、以下の場面で性能を比較してみました。
- 文章生成の比較
- ストーリー制作の比較
- コード生成の比較
- 画像生成の比較
それぞれの結果を踏まえて、ChatGPT Proに加入するかどうか判断してみましょう。
文章生成の比較
まずは、ChatGPTでよく使われる文章生成の結果を比較してみます。
条件は以下のとおりです。
- ChatGPTの画像生成の特徴を解説
- 文字数は500文字
- ChatGPTを使ったことがないユーザーが読者

4oは、網羅的に画像生成について解説してくれました。

o1 Pro modeでは、画像生成だけではなく、キャラクター設定やストーリーについても解説しています。
指示を与えていない文章生成も解説し、より画像を魅力的にできると教えてくれました。
次は「ChatGPTとは」というキーワードでブログ記事のタイトルと導入文を作成してみます。

4oは、タイトル案を3つと導入文を作成してくれました。
読者の悩みを深掘りし、ChatGPTで解決できると記載されています。

最初の見出しと本文を作成してもらったところ、ChatGPTについての基本を解説してくれました。

o1 Pro modeでも似たような導入文を作ってくれましたが、タイトル案は1つのみでした。
しかし、タイトルに「最新AIツールで効率アップの秘訣」とあるので、記事内を読みたくなりました。

o1 Pro modeでは、ChatGPTの基本解説に加えて、読者にどんなメリットがあるのかも深掘りして解説してくれています。
文章生成では、o1 Pro modeのほうが中身のある文章を作れることがわかりました。
ストーリー制作の比較
今度はストーリー制作の結果を比較してみます。
条件は以下のとおりです。
- 小説を書いて欲しい。
- テーマは「冬と雪」。
- まずはプロローグを作成してください。

4oにストーリーの始まりを作ってもらったところ、主人公を用意してくれました。

続いて最初の章を作成してもらったところ、やや短めのストーリーになりました。

o1 Pro modeにストーリーを制作してもらったところ、小説さながらのストーリーを作ってくれました。
街の様子も細かく描写されていて、どんな舞台で物語が進んでいるのかイメージできます。
ストーリー制作では、o1 Pro modeはそのまま作品にできそうなクオリティでした。
コード生成の比較
次は、専門知識が必要なプログラミングコードを作成してもらいました。
今回は「Pythonの基本コードを教えてください」と伝えています。

4oは基本コードを複数教えてくれました。
それぞれコピーや編集できるようになっているので、コードを手入力する必要がありません。

o1 Pro modeでは、基本のコードを出力するだけではなく、それぞれのコードの使い方や書き方も解説してくれました。
プログラミング初心者の場合、o1 Pro modeのほうが学習しながらコード生成ができます。
画像生成の比較
最後に画像生成ですが、o1 Pro modeでは画像は生成できません。
画像を生成する際は、4oを使用します。

4oに「魚をくわえて走る猫の画像を作ってください。」と伝えたところ、上記のように高品質な画像を作ってくれました。
画像を生成したい方は、ChatGPT 4oを使うと、テキストの指示だけで高品質な画像を作成できます。
ChatGPT o1 Pro modeの弱点

ChatGPT o1 Pro modeは、深い推論が魅力な一方で以下のような弱点があります。
- 出力に時間がかかる
- 空間認識能力が低い
- 生成が途中で中断することがある
特に、出力までに時間がかかる点は、多くのユーザーが懸念しています。
出力までに時間がかかる
o1 Pro modeは1回の出力に約2分〜6分ほどかかるため、スピードを重視するユーザーにはストレスになります。
5,000文字程度の記事構成と指示を与えたところ、出力に約6分かかりました。
素早く結果がほしい場面だと、o1 Pro modeのレスポンスの遅さが気になるかもしれません。
o1 Pro modeは長い思考過程を経るため、大きなデータを取り扱う場合はさらに時間を要する可能性もあります。
論理構造の整合性を確かめる段階や、参考情報のクロスチェックを丁寧にこなしているため、リアルタイムでの反応は今のところできません。
実務で素早く結果を得たい方は、o1 Pro modeではなく、4oのほうがストレスなく利用できます。
空間認識能力が弱い
o1 Pro modeは論理的な推論に優れている反面、絵や図のような視覚情報をともなうタスクが苦手です。

数字のないデザインの時計を読む問題を与えたところ、上記のように誤った回答になりました。

数字が記載されている時計でも、若干の誤差があります。
o1 Pro modeは、文字や数値を軸とする問題には強みを発揮しますが、視覚的な要素を多く含むケースでは精度が著しく低下します。
視覚情報を重視する場面では、現状のo1 Pro modeだけに頼るのはリスクが高いといえます。
生成が途中で中断することがある
o1 Pro modeを使っていると、まれに応答が途中で止まるケースがあります。
これは内部エラーや通信量の上限に関連している可能性が指摘されています。
回答を生成する際、大量のトークンを扱うとシステムが一時的に過負荷状態となり、プロセスが停止する仕組みのようです。
また、AIが計算や推論を何段階も実行している最中にタイムアウトが起こり、中断されるパターンも報告されています。
エラーになった際は、同じ指示を送ると出力できることも多いので、まずは再度指示を与えてみましょう。
それでもエラーになる場合、指示を小分けにするか質問の仕方を変える必要があります。
ChatGPT o1 Proに関するよくある質問

ChatGPT Proは月額200ドルかかるため、試したいけれどできないという方も少なくありません。
まだo1 Pro modeを試せていない方から寄せられる質問に回答します。
ChatGPT o1 Proの料金はいくらですか?
o1 Pro modeを使うためにはChatGPT Proに加入する必要があり、月額200ドルかかります。
日本円に換算すると3万円以上かかるため、多くのユーザーが導入を検討する際にためらってしまいます。
これまで、ChatGPT Plus、Claude、Geminiの有料版は月額20ドルが相場でした。
ChatGPT Proは、一般的なサブスクリプションと比べると高額なプランですが、投資価値を感じるケースも多々報告されています。
あらかじめo1 Pro modeの利用目的を明確にし、必要な期間だけ契約すればコストを抑えられます。
ChatGPTのo1 Proの回数制限はありますか?
o1 Pro modeには回数制限は設けられていません。
無料版だと混雑時にChatGPTを利用しにくい場面が出てきますが、ChatGPT Proに加入すると何度アクセスしても制約を受けません。
頻繁にChatGPTを使うユーザーにとっては、大きなメリットといえます。
作業中に何度も質問を投げかけるケースや、長文の連続投稿が必要なシナリオでも回数を気にせず作業を進められます。
時間帯や混雑状況に左右されにくいため、研究や業務で利用する方から好評です。
ChatGPT o1は何がすごいのですか?
o1シリーズはこれまでのGPTシリーズと比べて論理的思考がさらに磨かれており、複雑な指示にも対応しやすくなりました。
細かく指定されたプロンプトも理解し、人間が想定していない視点から回答を作り出す能力が向上しています。
難解な質問でも要点を押さえて整理できる点が秀逸で、ビジネス文書や専門的なレポートを作る際も便利です。
また、情報を深く関連づけて解説する場面が増えた結果、ユーザー側の理解が進みやすくなったとも評価されています。
従来は回答が曖昧になりがちだった専門的な領域でも、緻密な補足が入り説得力のある内容を提示できるようになっています。
ChatGPT o1 Pro modeは高度な処理をする際に本領を発揮する

ChatGPTのo1 Pro modeは、深い思考と高度なアウトプットを得意とするモデルです。
文章やコードなどの作業だけではなく、ビジネス戦略の立案や研究の補助を要する場面でも効果を発揮しています。
o1 Pro modeを利用すると、以下のようなメリットがあります。
【ChatGPT o1 Pro modeのメリット】
- より精度の高い文章や論文を作成できる
- 経営判断やビジネス案のブラッシュアップができる
- 複雑な数学や科学にも対応できる
秘書やコンサルタントとしてo1 Pro modeを利用する方も増えているので、ビジネスを発展させたい方はぜひとも導入してみましょう。
コメント